ここでは機械の可動部が持つエネルギー(運動エネルギー)について解説します。

(1)運動エネルギー

運動する物体が持っているエネルギーを運動エネルギーEk(Kinetic energy)といいます。

  • 運動エネルギ-の単位は{J:ジュール}で現します。
  • 1J(ジュール)とは、1N(ニュートン)の力を物体に働いて1mの距離を移動したときの仕事に当たります。
  • 質量m(Kg)の物体が、速度v(m/s)で運動しているときに持つ運動エネルギーEk(J:ジュール)は次式で現せます。

質量m(Kg)の物体が、速度v(m/s)で運動しているときに持つ運動エネルギーEk(J:ジュール)の数式

(2)運動エネルギーに対する機械安全機構

  • 直動駆動機構の場合、可動体は運動中にはEkの運動エネルギーを持って可動を続けています。
  • 落雷による停電などの事故の場合などでは、運動制御が不能となるリスクがあるため可動体が持つ運動エネルギーによる機械破損などを回避する安全機構の設計が必要です。
  • 直動駆動機構の場合の安全機構は、ダンパーを直動案内の両端に持たせる場合が多い(図1)。
  • リニアモーターなど摩擦抵抗がほとんど生じないアクチュエータの採用では、特に安全機構の設計が重要で、ダンパーも大型のものが採用されます(図2)。

【図1】直動機構の安全機構事例

【図2】リニアモーター駆動機構の安全機構事例