切削加工:加工時間の「短縮」
- [2024/6/12公開] Question テーパネックエンドミルの有用性を教えてください ネックをわざわざ細くしているロングネックのエンドミルで、シャンク側を太くしているテーパネックエンドミルがありますが、加工物と干渉して邪魔かと思うのですが、何に使うのですか? Answer 金型などのポケット加工ではロングネックのエンドミルを使用しますが、テーパネックはネックを干渉せずに高品質、高効率の加工ができます ロングネックエンドミルは、深いポケットの金型加工で多く使われます。 金型には抜き勾配が0.5~3°程度、特に1°から2°の抜き勾配が多く設定されています。ですので金型加工ではネックがテーパ状のテーパネックエンドミルが、加工物に干渉せず適応できることが多くあります。 エンドミルのたわみ量は径の影響が非常に大きく、テーパネックはストレートネックに比べ高剛性なので、ビビリが減少し早送りや高品質の加工が可能となります。
- [2024/4/14公開] Question ルーマ型ドリルとは何ですか? ルーマ型ドリルとはどんなドリルですか?またその他に、特殊なドリルがあればご紹介ください。 Answer ルーマ型ドリルとは小径加工に用いるドリルで、刃径とシャンク径とが異なるドリルです。また、その他の特殊な形状のソリッドドリルを、以下に記載していますのでご参照ください。 ルーマ型ドリル 穴径3mm程度以下の小径で比較的高精度な穴加工に用いるドリルです。刃径とシャンク径とが異なり、シャンク径はΦ3のものが多くあります。 例 サイトウ製作所(ATOM・アトム) ルーマドリル 標準刃長タグ:
- [2024/4/14公開] Question ボーリングシステムの構成を教えて ボーリングシステムの部品名がよく分かりません。部品名とどこに使われるものかを教えてください。 Answer ボーリングシステムはメーカーごと異なりますが、大昭和精機の代表的な構成例にて、部品名を以下に記載していますのでご参照ください。
- [2024/4/14公開] Question エンドミル加工の位置だし機器にはどんなものがあるのでしょうか エンドミル加工の段取りをしていますが、位置だし機器にはどんなものがあるのでしょうか。使い方や取り扱いに注意が必要な場合があればそれも教えてください。 Answer エンドミル加工の位置だし機器にはおもにエンドミルの突き出し位置を測定するものと、加工物の位置検出するものがあります。 エンドミルでの加工前準備にはエンドミルの位置と、加工物の位置を把握していなければなりません。エンドミルの突き出し位置はコレットに挿入する深さによって変わるので、エンドミルを設置したら必要となります。また、加工物の位置もテーブルに設置したらX方向とY方向の基準面の検出が必要です。おもなエンドミルの突き出し測定機器と加工物の位置検出機器の例を以下に記載していますのでご参照ください。 【エンドミルの突き出し位置測定】 外部接点式(通電式) 接触通電することでセンサが反応。切削工具が通電する必要があります。
- [2023/11/28公開] Question ラフィングエンドミルのメリットを教えて ラフィングエンドミルを検討していますが、メリットと使用上の注意点を教えてもらえますか? Answer ラフィングエンドミルは外周刃が波状で、スクエアエンドミルに比べ切込み量や送り速度を上げることができます。 ラフィングエンドミルは外周刃が波状で、粗ピッチの場合切削抵抗が2~3割下がります。そのため切込み量や送り速度を上げることができます。 スクエアエンドミルでの一般鋼の側面加工では、径方向の切込み量は刃径の0.1~0.2倍以下が推奨値ですが、ラフィングエンドミルでは刃径の0.3~0.4倍以下が推奨値です。 また切りくずが分断されるので、切りくず排出性に優れています。但し被削材の加工面に筋ができてしまうので、面粗度が必要な仕上げには適していません。 面粗度が必要のない逃がし加工や、仕上げ加工前の粗加工で使用すると、加工時間の短縮になります。
- [2023/11/28公開] Question エンドミルでの高速ミーリングのメリットを教えて 切削条件で標準条件と高速条件がありますが、なぜ分けているのでしょうか?切り屑排出量を計算すると標準条件のほうが多いようでした。加工時間が遅い高速条件にはどういったメリットがあるのか教えてもらえますか? Answer エンドミルでの高速ミーリングは、工具の長寿命化と高精度加工によるトータル工数低減のメリットがあります エンドミルでの高速ミーリングとは、高硬度鋼材などにおいて切込み量と送り量を抑制し高速の回転速度で加工することで、高精度かつ工具寿命特性を高めた切削技術です。高速の回転速度で切込み量を少なくすると、刃先熱と刃先の切削負荷が低減し、エンドミルの寿命が延びます。また、高硬度鋼における高精度かつ高能率切削の実現で、例えば、金型の磨き作業を大幅に短縮できるなどのトータル工数の低減効果が期待できます。
- [2023/7/3公開] Question 直刃エンドミルとは何ですか?メリットや用途を教えてください。 エンドミル選定相談時に直刃なら対応可能と言われたことがあります。 直刃エンドミルとは何ですか?どのようなメリット・デメリットがありますか? Answer ねじれのない(ねじれ角=0°)エンドミルを直刃エンドミルと呼びます。 下図のように側刃にねじれ角を持たないエンドミルを直刃エンドミルと呼びます。 直刃のメリット・デメリット(ねじれ刃と比較) 直刃エンドミルはねじれ角を有するエンドミルと比較すると以下のメリット・デメリットがあります。
- [2023/6/22公開] Question フライス加工でびびりが発生し、工具寿命も短いです。 フライス工具を選定する際に何に気を付ければいいですか? Answer フライス工具を選定する際には、『同時切削刃数』を確認することが重要です
- [2023/6/6公開] 代表的な穴あけ工具の種類・特長、2枚刃・1枚刃ドリルのメカニズム、 加工能率と工具コストを加味した穴あけ工具の使い分けのポイントなどをご紹介します。 Question 刃先交換式・ソリッド・ヘッド交換式ドリルはどのように使い分けたらいいですか? ドリルの分類として、1枚刃ドリル(刃先交換式ドリル)と2枚刃ドリル(ソリッド・ヘッド交換式ドリル)がありますが、その2つのドリルの特長・特性を活かし、どのように使い分ければいいですか? Answer 加工形状・穴精度・使用機械・被削材で使い分け、加工能率と工具コスト比較も大事になります。 1枚刃ドリル(刃先交換式ドリル)と2枚刃ドリル(ソリッド・ヘッド交換式ドリル)にはそれぞれ固有の特長、特性があります。それぞれのドリルの切削メカニズムを理解し、加工形状・穴精度・使用機械・被削材で使い分けること、また加工能率と工具コストの何を優先するかも大切なポイントとなります。
- [2022/04/07公開] 切削加工を行っているユーザーを対象に、製造現場における課題についてのアンケート調査(第3回)を実施した。 調査結果サマリ 経験年数10年以上でも切削加工に関わる計算の面倒さ、切削状況に応じた調整力が個人でバラつきが出てしまう点に課題を感じている。 設計担当者は人手不足もあり、製図や詳細設計について手間、時間がかかる点を課題に感じている。 現場担当者-切削加工に関わる計算の面倒さ、切削状況に応じた調整力が個人でバラつきが出てしまう点に課題を感じている。 経験年数10年以上の現場担当者から得たそれぞれの回答は以下(図1~図2)のとおり。 図1 金属切削加工でよく使う計算に関する課題タグ:
- Question ポケット加工時の粗加工、中仕上げ加工を高速化したい ポケット加工は削り出し量が多いため、粗加工・中仕上げ加工時間の短縮を図ることが、不可欠になります。そのためには、どのような加工方法を採用し、どのような工具を使用すればよいのでしょうか? Answer ラジアスエンドミルによる高速ミーリング 粗加工・中仕上げ加工を高速化するために下記の方法では解決に繋がりません。
- Question ポケット加工時のドリル下穴加工を削減したい ポケット加工はまず、ドリルで穴加工を行い、穴径よりも小径のエンドミルを挿入し、横方向に切削する方式で行っています。加工時間の短縮を図るために、ドリル穴なしでポケット加工ができる方法を教えてください。 Answer ポケット加工時のドリル下穴加工を削減するには ドリル穴なしでポケット加工を行うには、スクエアエンドミルを用い、大きく2つの切削方法があります。
- Question 取りしろが大きな側面切削なので、高効率に切削を行える工具を探しています。どのような工具を選定すればいいのでしょうか? Answer 加工を高効率に行うための工具 刃先交換式カッターやラフィングエンドミルを使用し粗加工を行うことで、加工効率を大きく改善できます。
- Question 側面加工と溝加工、底面加工毎に工具を使い分けたくない 加工種類毎に、工具を揃えていくと、工具管理が煩雑になってしまいます。1本の工具で複数工程を加工できる工具はないでしょうか? Answer ネジレ、刃数違いによる工具の特徴 一般的に流通している2枚刃、4枚刃の30°ネジレ工具でも、側面加工と溝加工、底面加工を1本の工具で加工することは可能です。 ただし、2枚刃のエンドミルで側面加工を行うと、送りが上げられず、効率的な加工になりません。また、4枚刃のエンドミルで溝加工を行うと、外周の溝幅が狭いだけに、切りクズ詰まりが懸念されます。 3枚刃のエンドミルは、2枚刃、4枚刃中間の特長を併せ持っており、側面、溝加工両方に対応しています。
- Question ラジアスエンドミルによる倣い加工のメリットは? 三次元形状の倣い加工に、ボールエンドミルではなくラジアスエンドミルを使用するという話を最近よく聞きます。ラジアスエンドミルを使うと具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。 Answer 切削条件の良化 ボールエンドミルの刃径は刃先Rの2倍ですが、ラジアスエンドミルの刃径は刃先Rの寸法に関係なく大きくすることが可能です。刃径が大きいと以下の点で切削条件が良化します。 刃径が大きいと工具剛性が高く、特に小径の場合たおれを小さく抑えることができ、安定した切削が可能です。また、実切削径が大きくなり速い切削速度で加工することが可能なため、加工面精度の向上や工具寿命の向上が見込めます。
- Question 浅切り込み、高送りを前提とした高速ミーリングのメリットを最大限発揮させるためにどのようなエンドミルを選定すればよいか教えてください。 Answer 短刃長・高精度エンドミルの使用 高速ミーリングでは、工具を高速回転で用いるので、できる限り短い刃長・R精度や振れ精度が高水準の工具をご使用ください。 焼ばめホルダと専用エンドミルの使用 高速ミーリングでは、保持剛性に優れている焼ばめホルダの使用が増えております。 焼ばめホルダ用エンドミルを使用し、工具・保持具の両面で最も適した製品を選定することが有効です。
- 底面がフラットな穴加工は、底面の平坦度が得にくいなどの品質維持はもちろん、複数工具を使うことによる工具交換などで段取り時間も増え、コスト高になりがちな悩みの多い加工だと言われる。ここでは、品質安定化と加工コスト削減を両立できた事例を紹介する。タグ:
- ビビり抑制、加工時間の短縮・・・切削加工現場で日々発生するさまざまな課題。『他社はどう対処しているのか?』『今のやり方以外にもっとよい解決方法はないのか?』と感じることも多いのではないだろうか。前回に引き続き、2社の切削加工のプロフェッショナルにオンラインで切削加工現場の課題について語り合っていただき、現場で生じる課題解決の勘所を探った。今回は「ビビり抑制」「加工時間の短縮」をテーマにした第2回目のセッションを振り返る。
- Question カッターマークを消す作業を効率化したい カッターマークを手作業で消していますが、時間がかかる上、技術的に難しいため品質が不均一になりがちです。効率のよい方法を教えてください。 Answer カッティングファイバーを用いて効率化することが可能 カッターマークがついてしまう理由 超硬スクエアエンドミルで加工すると、取り付け時や加工時の工具の振れ、機械主軸の熱変位などで、工具刃先の先端がワークに食い込む作用が働きます。これにより、引っかき傷のようなカッターマークがついてしまいます。タグ:
- Question フライス加工後のバリ取りを自動化したい バリ取り工程の効率化を図りたいのですが、新たな設備投資をせずに実行できる方法はありますか? Answer マシニングセンターでのバリ取り方法 バリ取りを自動化しようとする場合、バレル研磨やショットブラスト、ウォータージェット等の機械装置を用いた方法が考えられますが、 新たな設備投資やマシニングセンターからのワーク移動の手間といった制約条件もあります。 それに対し、マシニングセンターで、切削加工に連続してバリ取りを行える工具として、バリ取りブラシやカッターがあります。 工具の使い分けは、主にバリ根元厚みを目安に行います。 「バリ根元厚みによる工具選定」はこちらタグ: