Question
ラジアスエンドミルによる倣い加工のメリットは?
三次元形状の倣い加工に、ボールエンドミルではなくラジアスエンドミルを使用するという話を最近よく聞きます。ラジアスエンドミルを使うと具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
Answer
切削条件の良化
ボールエンドミルの刃径は刃先Rの2倍ですが、ラジアスエンドミルの刃径は刃先Rの寸法に関係なく大きくすることが可能です。刃径が大きいと以下の点で切削条件が良化します。
刃径が大きいと工具剛性が高く、特に小径の場合たおれを小さく抑えることができ、安定した切削が可能です。また、実切削径が大きくなり速い切削速度で加工することが可能なため、加工面精度の向上や工具寿命の向上が見込めます。
平坦部加工の高能率化
ラジアスエンドミルは、ボールエンドミルよりもピックフィードを大きくとることができ、粗加工における加工能率の向上が可能です。
加工方法 | ラジアスエンドミル | ボールエンドミル |
---|---|---|
平面部の多い加工 | ◎ | ○ |
底部にRのあるポケット加工 | ◎ | ○ |
高硬度材の深彫り加工 | ◎ | ○ |
複雑な3次元加工 | × | ◎ |
回転数の上がらない機械での加工 | ◎ | ○ |
切削安定性 | ◎ | ○ |
プログラムの作成 | △ | ◎ |