選定されたベルトの心体の許容応力の適否を、下記の手順により確認してください。
1. 有効張力の計算
有効張力は公式1により計算します。
f値の一覧表(表-1)
支持体と接する面の面形状 | 平滑 | 布目状 |
---|---|---|
ローラ支持 | 0.05 | 0.05 |
ローラ+鉄板支持 | 0.2 | 0.3 |
鉄板支持(SUS・SS) | 0.4 | 0.5 |
合板支持 | 0.5 | 0.6 |
(ナイフエッジ使用の場合は、表-1の値に0.2を加算してください。)
ローラ重量の一覧表(表-2)
ローラ径(mm) | 1本ローラ(kg/本) | 許容荷重(kg/本) |
---|---|---|
28.6 | 0.2 | 50 |
表-2は、JIS規格(JIS B 8805-1965)に準拠したローラの回転部重量です。詳細のご検討には、ご使用されるローラ重量に基いて計算してください。
2. 所要動力
- P
- :所要動力 kW
- F
- :有効張力 N
- V
- :ベルト速度 m/min
- 6,120
- :60×102(定数)
3. 電源機出力
- Pm
- :電動機出力 kW
- P
- :所要動力 kW
- η
- :機械効率(機械効率は0.5~0.65を標準とします)
電動機出力が0.1kW以下の場合は、出力が不足する場合がありますので、電動機特性を確認し、ご使用ください。
4. ゆるみ側張力より計算した最大張力
- FM1
- :最大張力 N
- F
- :有効張力 N
- K
- :係数
表-3により選定したμの値と、巻付角度(θ)により、表-4からKの値を選定してください。
(表-4以外の巻付角度(θ)の場合は により求めてください。)
- μ
- :駆動プーリとベルトの摩擦係数(表-3より選定)
- e
- :自然対数の底(2.718)
- θ′
- :ラジアン
μ値の一覧表(表-3)
プーリの面状態 \ プーリと接する面の面形状 | 平滑 | 布目状 | |
---|---|---|---|
裸の鋼製 プーリ |
乾燥 | 0.2 | 0.3 |
湿りあり | 0.15 | 0.2 | |
ゴムラギング プーリ |
乾燥 | 0.3 | 0.35 |
湿りあり | 0.2 | 0.25 |
巻付け角度(θ)によるK値の一覧表(表-4)
θ度 \ μ | 0.1 | 0.15 | 0.2 | 0.25 | 0.3 | 0.35 | 0.5 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
180 | 3.8 | 2.7 | 2.2 | 1.9 | 1.7 | 1.5 | 1.3 |
190 | 3.6 | 2.6 | 2.1 | 1.8 | 1.6 | 1.5 | 1.3 |
200 | 3.4 | 2.5 | 2.0 | 1.8 | 1.6 | 1.5 | 1.3 |
210 | 3.3 | 2.4 | 2.0 | 1.7 | 1.5 | 1.4 | 1.2 |
220 | 3.2 | 2.3 | 1.9 | 1.7 | 1.5 | 1.4 | 1.2 |
230 | 3.1 | 2.3 | 1.9 | 1.6 | 1.4 | 1.4 | 1.2 |
5. 初張力より計算した最大張力
- FM2
- :最大張力 N
- B
- :ベルト幅 cm
- TC
- :初張力 N/cm(表-5より選定)
Tc値の一覧表(表-5)
心体枚数(プライ数) | 1枚 | 2枚 | 3枚 |
---|---|---|---|
初張力(N/cm) | 1.5 | 3.0 | 4.5 |
FM1(公式4)とFM2(公式5)とを比較し、大きな方を最大張力FMとします。
6. 許容応力の確認
- C
- :ベルト許容応力 N/cm
- FM
- :最大張力 kg
- B
- :ベルト幅 cm
上記、公式6のように選定されたベルトの許容応力が、1cm幅当たりの最大張力より大きければ使用できます。