[2024/8/19公開]
Question
フライス加工のエンゲージ角とはなんですか?
正面フライスで平面加工をするとき、エンゲージ角によってインサートの寿命が違うと聞きますが、エンゲージ角とはなんですか?
Answer
エンゲージ角とは、正面フライスの中心と切れ刃の食いつき点を結んだ線と、送り方向のなす角度です。エンゲージ角を小さくするとインサート寿命がよくなります。
正面フライス加工では、工具径の2/3程度の幅で加工すると、効率よく安定した加工ができます。
そのとき、正面フライスの中心と切れ刃の食いつき点を結んだ線と、送り方向のなす角をエンゲージ角と呼びます。また、正面フライスの中心と切れ刃の加工物からの抜け際の点を結んだ線と、送り方向のなす角をディスエンゲージ角と呼びます。
エンゲージ角とディスエンゲージ角の大きさにより、切削の接触開始点と抜け際の刃先にかかるダメージが異なり、インサート寿命が変わります。カッタ位置を調整して、エンゲージ角を小さくディスエンゲージ角を大きくなるようにすると、インサート寿命がよくなります。
エンゲージ角が大きいと劣化促進する要因として
・アップカットのように上滑り現象が発生して刃先の摩耗がはやい
・加工物の接触開始点が薄く変形しやすくなり、刃先のチッピングが起きやすい
・エンゲージ角が小さいときよりインサートの先端側から当たり始める
などが考えられます。
また、ディスエンゲージ角が小さいと抜け際で切り屑が厚くなり、抜け際で刃先のチッピングが起きやすくなります。