[2024/6/5公開]
Question
量産加工において生産性を向上させるコツはありますか?
量産加工の効率を上げて利益率の向上に繋げたい。
Answer
少品種大量生産の加工
量産加工において利益率を高めるためには、加工の効率を向上させることが重要です。特に、
- 加工時間を短くすること
- 機械の停止時間を短くすること
で加工のサイクルを素早く回すことによって、効率の良い量産加工を行うことができるようになります。
①加工時間を短くするために
対象とするワークの材質や加工内容に合わせた切削条件を設定することで無駄がなく素早い加工を行うことができるようになります。具体的には、
- 工具の送り速度や回転数をワークに合わせた最適な条件に設定する
- 材質の硬度などに合わせた刃物を選定することで、切削の速度を上げる
- 加工内容に合わせてプログラムを最適化し、無駄な動作を減らす
などの条件設定の手法が挙げられます。
②機械の停止時間を短くするために
機内段取りにかかる時間を短くすることや、メンテナンスにかかる時間を減らすことで、機械が停止している時間を減少させ、日当たりの加工時間を長くすることができます。
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機内で加工を行っている最中に、次に加工するワークを外段取りしておく
量産加工では、予め機外でワークの外段取りを済ましておくことで、加工終了後すぐに次のワークの加工に移ることができ、機械の停止時間を極力短くすることができます。また、多数個取り用の治具プレートと位置決めユニットを組み合わせることで、機内での段取り時間短縮に加え、段取り回数の削減に繋げることもできます。
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クランプにかかる時間を短くする
ワーク1個当たりの加工時間が短い場合は段取り回数が多くなるため、クランプにかかる時間を短くすることで機械の稼働時間を長くすることができます。エアを用いるクランプやバイスを使用すれば、スイッチ操作1つでクランプ/アンクランプができ、作業時間の短縮に繋がります。 -
自動化の導入で夜間の機械停止時間を短くする
量産加工においては、ワーク搬送やクランプ操作の自動化を行うことで、作業者の勤務していない夜間も加工を行うことができます。
夜間加工を行うことで、人件費を掛けずに日当たりの生産個数を増やす事ができます。 -
工具/治具に耐久性の高いものを使用し、交換にかかる停止時間をなくす
機械を長時間稼働させる量産加工においては、工具や治具の摩耗は付き物ですが、工具交換やメンテナンスの際は必然的に機械を停止させる必要があります。耐久性に優れた工具や治具を使用することで機械を停止させる回数を減らすことも、量産加工を効率よく行う一つのポイントと言えます。
使用事例
治具による量産加工効率化の事例
ワークの多数個取り+自動化による量産加工例
多連エアバイスでの多数個取り+クランプの自動化
出典:株式会社ナベヤ