からくり治具の素である運動機構のメカニズムは、駆動エネルギーを運動制御に変えるメカニズムで、運動の伝達と動力の伝達の2つの機能を持っています。1つの「からくり治具の素」は、その強度や材料を適切に選定することで、加工用にも制御用にも利用できます。
からくり治具の素が作り出す運動の種類は下記が挙げられます。
1. | 回転運動 → 揺振運動に変えるメカニズム | |
2. | 回転運動 → 直線運動に変えるメカニズム | |
3. | 直線運動 → 回転運動に変えるメカニズム | |
4. | 間歇回転・往復運動のメカニズム | |
5. | 変速・減速・早戻りのメカニズム | |
6. | 方向変換のメカニズム | |
7. | 倍力のメカニズム | |
8. | 直線・平行運動のメカニズム | |
9. | 3次元運動(カム利用)のメカニズム | |
10. | 動力伝動のメカニズム |
初めに、「治具・簡易機械化(搬送のLCA:ローコストオートメーション)」で紹介した写真(歯車、カム・リンク機構の糸捲器)の回転運動 → 直線運度に変える「からくり治具の素」を紹介します。なお、回転運動 → 直線運動に変えるメカニズムは、そのメカニズムを反転して使用すると、直線運動 → 回転運動に変えるメカニズムとして多くは使用できます。人間の運動は回転作業が直線作業より容易なため、簡易治具類は回転運動 → 直線運動の変換が多いようです。
(1)回転運動 → 直線運動に変えるメカニズム
(1)螺旋溝による往復直線運動(【図1】参照、「治具・簡易機械化(搬送のLCA:ローコストオートメーション)」写真に関連)
円筒カムの表面に連続した螺旋溝を形成し、螺旋溝に沿ってしゅう動する楕円形状スライダーを配置させることで、円筒カムの回転にしたがい楕円形状スライダーは往復直線運動をおこなう。