[2022/02/20公開]
Question
エンドミルに中ベコとフラットという説明の記載がありますが、どういう意味ですか?
スクエアエンドミルや自由指定直刃エンドミルには中ベコやフラットというものがありますが、どういう違いでしょうか。
また、どのように使い分けをするのですか?
Answer
中ベコ・フラットとは、底刃の形状のことです
底刃の形状の違いを表しており、用途によって使い分けます。
それぞれの特徴や使い分けのポイントは、以下の通りです。
スクエアエンドミルの中ベコとは
中ベコとは、すかし角と呼ばれる底刃を中心に向けて1~3°程度へこませて、逃がしている形状のことです。
切りくずの排出性をよくし、また切削抵抗も少ないので、特に記述がない限り一般的なエンドミルは、中ベコ形状になっています。
図1.底刃が中ベコのスクエアエンドミル
スクエアエンドミルのフラットとは
フラットは、その名の通り底刃がまっすぐです。
止まり穴の底の形状を平らに仕上げたい場合等に使用します。
座繰り用エンドミルなどは、この形状が多くなっています。
ただ、切りくずの排出性が悪く、切削抵抗も高くなるので、欠けが発生したり、常に擦っているので底刃の摩耗が早くなる傾向があります。
図2.底刃がフラットなスクエアエンドミル
中ベコとフラットの使い分け
通常の溝加工や側面加工では、切りくずの排出性と切削抵抗の観点から、一般的な中ベコのエンドミルで加工するのを推奨します。
ただ、中ベコのエンドミルで突込み加工を行うと、底面がわずかに中心に向かって傾いてしまいます。
この場合は、底刃がフラットなエンドミルを使用して平らにします。
コンタリング加工(円周加工)なら、中ベコのエンドミルでも座繰り面をフラットにできます。
また、底面の面粗さが欲しい溝加工の場合、フラットを使用することで下面を綺麗に仕上げることが可能です。