プレス金型部品
- ブランクから絞り加工すると、【図1】に示すように絞りの縁は厚くなります。これは絞り変形するときにブランクの縁が収縮します。その変化が、縁の板厚増加となって現れたものです。このようなことから、絞り金型のクリアランスは、曲げと同じように材料板厚と同じとすることができません。絞り加工のクリアランスは材料板厚より大きく設定して、板厚増加を考慮します。 しかし、このような板厚増加があると、絞り径の寸法精度が悪くなります。そのために厚くなった材料をしごいて、均一な厚さにすることも行います。このときのクリアランスは、元の材料板厚より小さくなります。タグ:
- 展開計算で求めたブランク径から、何回で絞れるかを決めます。その結果が【図1】です。これは「円筒絞りの絞り回数を決める」で求めたものです。各寸法は各工程のパンチ径を示しています。 【図2】は、パンチ肩半径の決め方を示しています。ここで分かっているのは製品の底R(パンチR)のR0.3だけです(「円筒絞りのブランク展開」の製品図参照)。タグ:
- 展開計算で求めたブランク径から、何回で絞れるかを決めます。絞り加工では1回で絞ることのできる限界があります。絞り加工では目的の径になるまで絞りを繰り返しますが、加工が進むにつれて材料は加工硬化して絞りにくくなります。絞れる量を決める手段として絞り率を使います。絞り率は次のような関係にあります。 絞り率(m)=絞り後の径÷絞り前の径タグ:
- 絞り加工はブランクからつなぎ目のない容器を成形します。その具体的な内容を【図1】に示す製品形状を例にして、今後進めていきたいと考えています。 絞り加工の工程設計のイメージを示したものが【図2】です。タグ:
- U曲げ加工では、ウエブの部分にブリッジを取ることができるので、【図1】に示すような片側キャリアのレイアウトとすることができます。タグ:
- 小さいU曲げ(U曲げ製品でなくとも)製品では、材料の歩留まりより、材料送りの安定に視点をおかないと失敗します。 【図1】は、小さい製品のレイアウトによく使われる形です。両側キャリアとして、そのキャリアをさらにつなぎ、枠を作りその中にブランクを置きます。この形は大変に安定したブランクの保持となります。小さな製品や薄板材などの材料送りに不安を感じるときに採用されます。 製品の回収には二つの方法があります。この点が、このレイアウトの欠点と言えるかも知れません。 【図1】は、製品とキャリアのつながり部分を切りながら、製品を下に落とす形です。この形は製品の回収は安定しますが、切った部分のバリ方向が他の部分と逆になります。バリ方向を同じにしなければいけない指定のときには使えません。タグ:
- U曲げでは、【図1】のようにブランクを中央でつなぐと、材料のロスも少なくシンプルなレイアウトになります。 この形では、被加工材の圧延方向と曲げ線が平行の関係になります。曲げ半径が小さく硬い材質の製品では、曲げ部分の割れが心配になります。 U曲げのウエッブが狭い製品(【図1】がその例)製品では、つなぎ部分が小さいために、パイロットを配置するスペースが作れないことが多いです。 このような場合、【図1】に示すように一般的な丸のパイロットではなく、切り欠き部分の幅を利用した角形のパイロットを使うことがあります。送り長さを調節するためです。 材料の振れは、曲げ前では材料の幅でガイドします。曲げた後は曲げたフランジでガイドすることができます。このことは曲げたフランジ高さ分だけ材料をリフトアップする必要がないので、リフト量を小さくできます(【図1】の右側面図参照)。リフト量が小さいことは材料送りでのトラブルが少なくなり、よいことです。タグ:
- 【図1】を参照してください。ストリップレイアウトに対する材料ガイドの配置を示しています。 ガイドはリフターガイドを採用しています。ガイドはパイロット穴に近い位置に配置します。パイロットが穴に入るとき、抜けるとき材料の変形を押さえるためです。 ガイドはできるだけ穴に近いのがよいのですが、平面図を見て、ガイドの一番外側の破線は、ダイセットに配置されるスクリュープラグです。この部分が穴抜きのかす落とし穴と干渉しないように注意します。 リフターガイドは材料のスタート位置では、少し多く、その後は等間隔にします。 材料のリフト量(H2)は、下曲げフランジ高さ(H1)との関係で決まります。タグ:
- 【図1】を参照してください。ストリップレイアウトに対応した、パンチとパイロットについて解説します。 このレイアウトでは抜きと下曲げがあります。可動ストリッパ構造を想定すると、ストリッパ面は下曲げのパンチに合わせることになります。 曲げ加工はスプリングバック対策として、曲げの外側Rを圧縮する方法を採用しています。ノックアウトはストリッパと一体としてもよいのですが、底突きの関係から分離したノックアウトを採用しています。曲げに必要な条件を決めていくと寸法が決まります。タグ:
- 【図1】は、直列配列のストリップレイアウトです。ストリップレイアウトでは順送り加工の推移を示すものです。「スケルトン図」と呼ぶこともあります。 最初に加工されるものはパイロット穴です。パイロット穴と一緒に加工することが可能であれば、製品穴も加工します。次のステージでパイロットを入れます。送り長さ(送りピッチ)を安定させるためです。 その後に、ブランクを作るための加工をします。ブランクができたことで曲げが可能となります。バリ方向の指定がないときには、バリは曲げの内側とするのが通例ですからしますから、下曲げとしてあります。製品形状が完成したので、ブランクをつなぐブリッジ、キャリアをカットして、製品を完成させて型より取り出します。 以上がストリップレイアウトを作るときの考えの流れです。 この流れの中で、タグ:
- 曲げ製品のブランク展開後の作業はブランクレイアウトです。 その内容は、 展開されたブランクをどのように配置するか。 ブランクとキャリアをどこでつなぐか。 ブリッジの大きさはどの程度とするか。 破損しないパンチ、ダイの大きさの確保。 マッチングはどうするか。 マッチングはどうするか。 といった内容に焦点を当てます。 ここでは直列配列で両側にキャリアのある形とします(【図1】)。この形は順送り加工のレイアウトの基本的な形です。ブランクの保持が安定し、最初の材料幅がそのままなので材料幅のガイドがしやすく、安定しているからです。しかし、材料の無駄が多く材料歩留まりが悪いのが欠点です。 キャリア部分にパイロット穴を配置します。このように製品とならない部分に作るパイロット穴を間接パイロットと呼びます。 キャリアとブランクをつなぐ部分をブリッジと呼びます。この幅は大きく取る方が安定しますが、曲げ幅(A)との関係で決まります。タグ:
- U曲げ製品の順送り加工について解説します。ここでは最初の仕事展開について説明します。 話を進めるために、【図1】に示す製品図の形状を作ることにします。タグ:
- Z曲げは曲げ加工の中で少し特殊な存在です。【図1】のような形状を指します。ここでH寸法が被加工材板厚の5倍以下ですと、Z形状を1回で作ることが可能です。ただし、曲げ半径1、2が小さいときや、曲げ線が被加工材の圧延方向と平行な場合では、H寸法が5倍以下でも割れが発生することはあります。 H寸法が板厚の5倍以上になると、2工程曲げとなります。【図2】が標準的な曲げ方法です。1曲げで上方向にL曲げします。2曲げでは下方向にL曲げを行いZ形状を完成させます。タグ:
- U形状は曲げの基本的な形状ですが、曲げ方法はいくつかあります。順送り加工でよく使われる押さえ曲げを前提にして、曲げ工程を説明します。 【図1】は1回曲げです。この方法は曲げ半径が被加工材の板厚以下で、曲げ精度要求がそれほどでもないときに採用します。L曲げを左右同時に行う形であることが分かります。押さえ曲げで曲げるときには、ウエブ部分はフランジ方向に引かれる力が働きますが、U曲げではこの点については安定します。左右を曲げることで、ウエブ部分に曲げモーメントが働き、反りがでやすくなります。被加工材押さえ力の強化や曲げ下死点での底突きすることも検討します。タグ:
- L形状は曲げの最も基本的な形状ですが、曲げ方法はいくつかあります。順送り加工でよく使われる押さえ曲げを前提にして、曲げ工程を説明します。 【図1】は、1回曲げです。この方法は曲げ半径が被加工材の板厚以下で、曲げ精度要求がそれほどでもないときに採用します。 【図2】は、曲げ位置にVノッチ等で凹形状の溝を付け曲げ位置を正確に出したいときの方法です。凹形状の深さは板厚の30%程度です。曲げ部の強度は弱くなります。曲げ線は被加工材の圧延方向と直角になるようにして、曲げ部強度低下に注意します。タグ:
- 順送り加工では抜きと曲げが混在します。抜きを先行すると、曲げによって寸法がばらついてしまうことがあります。一般的には順送り加工では穴を抜き、外形を作り、その後に曲げるのが加工の流れです。 このルールを鵜呑みにして曲げを含む製品の順送りレイアウトをすると、穴ピッチ公差が厳しい製品などでは、バラツキによって泣かされることがあります。【図1】に示すようなイメージです。穴を挟んで2個所以上の曲げがあるときには、穴ピッチ寸法のバラツキを考える必要があります。特に例図のようなZ曲げでは、曲げ部の伸びが変動するので、穴ピッチに影響が出ます。タグ:
- 順送り加工の曲げは押さえ曲げとなる加工が多いですが、【図1】に示すように、ウエブ部分が引かれて変形することがあります。 押さえ曲げでは、ウエブ面積に対応して材料押さえ力を決め、スプリングの強さを決めますが、製品形状そのものに問題があり、ウエブ面積に対応して押さえ力が確保できないようなことがあります。このようなときには【図2】に示すように、ウエブ部分を広げるようなレイアウトをします。ウエブ部分をキャリアとつなげたり、曲げ後に外形を抜くといった工夫をします。タグ:
- どのように形状を作るかには大変真剣に検討しますが、出来上がった製品の回収となると気がゆるむのでしょうか、問題を起こすことがあります。 【図1】は、加工が完了した製品を抜き落として回収する方法です。ダイを通過して下に落とすこの形が最も安定した形ですが、最後に切り離した部分の抜け状態が他の部分と異なり、バリ方向が逆になります。この点が許されれば採用できる方法ということもできます。ダイプレート上に残るキャリア部分はスクラップとなります。放置すると長い帯状になってしますので、通常は何らかの方法でスクラップカットします。巻き取って処分する方法もありますが、何となく無駄が多いように感じます。タグ:
- 順送り加工ではブランクをさん(キャリア)でつなぎ、ブランクの工程間移動ができるようにします。したがって、キャリアは材料送りの際に変形しない強さを持つ必要があります。 キャリアの取り方は片側、中央及び両側形が基本形です。 【図1】は、片側キャリアです。L曲げのような場合には使いやすい形です。材料の無駄も少なくてすみます。 キャリア部が狭まいと(材料を節約するためには狭くしたくなる)、キャリア部分が狭く弱いと、横曲がりして、材料送り及びブランク保持が不安定になることがあります。 材料の幅方向ガイドは、キャリア側は行いやすいですが、反対側はガイドに問題が出ることが多いです。タグ: