プレス金型部品
- 穴抜き型に用いるダイセットについて説明します。 ダイセットで注意が必要な部分を【図1】に示しました。 大きさ(面積)に付いては、ダイプレートのサイズ等に合わせて、標準ダイセットを選ぶのが普通です。 自作するときには、プレートサイズにガイドポスト取付の面積を追加した大きさとなります。金型の重量を減らすために、不要な部分を削ることを行います。外周は特に問題がなければ、溶断のままでもよいです。 パンチホルダーの厚さ(T)とダイホルダーの厚さ(T1)は、プレートの大きさから判断して決めます。30mm位が下限でしょうか。 パンチホルダーでは、スプリングとの関係もありますので注意して下さい。 ガイドポスト長さとダイハイトの関係(【図1】でXで示した部分)に注意して下さい。再研磨でダイハイトが低くなる構造では特に。タグ:
- パンチにかかる加工力は、パンチの背面にも同等に発生しています。その力はパンチホルダー等の面で受けています。 小さい断面のパンチでは、【図1】に示すように、ホルダー面で受けきれずにめり込んでしまうことがあります。 パンチホルダー材質がS50Cのような熱処理をしないで使われるものでは、パンチ背面の平均面圧(加工力がパンチつば部の面積に平均に分散され、力を受けると考えたときの単位面積当たりの荷重)が、目安として16kgf/mm2以上になると、パンチがパンチホルダーにめり込む可能性が高くなります。タグ:
- 可動ストリッパ構造のパンチプレートの設計では、少し注意が必要です。 ストリッパプレートとの関係です。【図1】を参照して下さい。タグ:
- 可動ストリッパは、ストリッパボルトとスプリングによって保持されています。ストリッパボルトで動きを規制し、スプリングで押さえ力を作っています。 【図】は、スプリングとストリッパボルトの使い方の代表的なものを示しています。タグ:
- 穴抜き加工では、製品の平面度を確保するねらいから可動ストリッパを採用することが多く、穴抜きというと、可動ストリッパ構造といったイメージも定着しています。 穴抜き加工で穴径が小さくなると、パンチも弱くなりダイとの関係を保つことが難しくなります。 可動ストリッパ構造では【図1】に示すように、常にパンチの先端はストリッパプレートの中にあるので、パンチの通る穴を小さくしておけば、パンチの振れを押さえることができ、パンチとダイの関係を安定したものにすることができます。このようにすることを「パンチをストリッパガイドする(以下、略してストリッパガイドとする)」といいます。 普通の可動ストリッパ構造(【図1】)の金型でストリッパガイドすると、ストリッパプレートの挙動がパンチに反映されることになります。つまり、ストリッパプレートの水平動や傾きによるパンチへの影響です。タグ:
- 通常、穴抜き型ではブランクを位置決めして動かないようにして加工します。 この位置決め部品を「ネスト」と呼びます。ネストは「位置決め」「定木」「案内」「ガイド」などの呼び方があります。 【図1】は板を用いたネストです。板ガイドなどと呼ばれることもあります。 (a)は1体式のネストです。通常はこの形が多いと思います。(b)は分割式のネストです。大きな製品のときによく使われます。 ネストは4本以上のねじで止められ、2本のダウエルピン(ノックピン)で位置決めします。 固定方法は分割式のネストでも同様ですが、ネストが小さくなると、ねじとダウエルピンの関係が難しくなることがあります。 このようなときの最低限の取り付け方法は、1本のねじに対して2本のダウエルピンで止め、固定と位置決めをします。タグ:
- 【図1】は、穴抜きパンチの各部の名称を示しています。 パンチは一つの材料から作られていることが多いので、各部を分けて考えることが少ないかも知れません。 しかし、パンチを設計するときにはどの様な機能が必要かを知っておくことは、ただ何となく設計しているのと大きな違いとなります。 機能部はパンチの命となる部分です。ここで目的の加工をします。加工形状と同じ形をしています。シャンク部は細いパンチを保持するための部分です。パンチプレートに埋め込まれます。 調整部分は機能部とシャンク部をつなぐ部分です。 抜け止め部分は、パンチプレートに埋め込まれたパンチが抜けないようにする部分です。タグ:
- 穴抜き型は、ブランク抜き型に次いでよく使われる金型といえます。 【図1】は、固定ストリッパ構造を用いた穴抜き型です。金型構造はシンプルなので作るのは容易です。 この構造の金型は、被加工材を押さえないので、穴周囲の平坦度が悪くなりやすいです。長い形状の端に穴を加工したいときによく使われます。 例図では被加工材の幅方向のガイドはピンで行っていますが、板材を用いても問題ありません。 被加工材を固定ストリッパの奥に押しつけるようにして加工します。タグ:
- 打ち抜き型について、固定ストリッパ構造のよく使われている構造を例に解説してきました。 【図1】の構造です。繰り返しになりますが、打ち抜き型の標準的構造といえます。 この構造では、加工している部分が見えないことが欠点といえます。もうひとつ気になることがあります。それは、加工しているときの材料の変化です。 ダイ上の材料はパンチでたたかれることによって反ります。薄板のときには気になりませんが、厚板になると問題となります。タグ:
- 打ち抜き型設計の要点をまとめたものです。 (1)固定ストリッパを使う理由 打ち抜き型ではダイを通過して得られるものが、製品です。したがって、ダイプレートの上に残るものはスクラップです。多少の変形があっても製品に影響がなければ問題とならないので、材料を押さえる必要のない構造でよいのです。 (2)固定ストリッパとストックガイド ストリッパは、パンチに付いた材料をはぎ取るのが、役目です。しっかりと固定されていることが、はぎ取るには有利です。固定ストリッパの下は材料が通過する空間です。大きな空間を作ると材料は空間の中を移動して、打ち抜き加工がやりにくくなります。材料に合わせて幅や、高さを規制すると、打ち抜き作業は行いやすくなります。このようにすることで、固定ストリッパ下の空間は「材料ガイド空間=ストックガイド」となります。ストックガイドはプレス作業をしやすくする工夫をしておくと良いです。 (3)固定ストリッパ構造は中が見えない プレス作業をしているときに、作業ポイントが見えないことは不安です。これが、固定ストリッパ構造の欠点です。不要な部分をカットして、できるだけ作業ポイントが見えるようにしましょう。タグ:
- 【図1】が標準的な打ち抜き(ブランク抜き)型の構造です。ダイホルダは打ち抜き型の下型を支える役割と、下型を固定するためのクランプ部分となります。タグ:
- 【図1】が標準的な打ち抜き(ブランク抜き)型の構造です。ダイは製品形状を作る大事な部品です。 ダイ(ダイプレート)に加工されたダイ穴は、製品形状に作ります。打ち抜き型ではダイ穴を通過して得られた形状が製品となります。タグ:
- 固定ストリッパでは、【図1】に示すように(e)のストリッパ部分と(d)(e)部分に分けて考えることができます。(e)(d)部分をストックガイド部分と呼ぶことにします。タグ:
- 前回、固定ストリッパの必要機能は【図1】に示すような内容ですと説明しました。 この形は、固定ストリッパの基本的なかたちで、【図1】(a)に示すような、一定の材料幅に対して、1列でブランクを抜いていくかたちを想定しています。 それに対して、【図2】(b)のような幅広の材料から2列で取りたいような場合があります。このようなとき、【図2】(c)に示すように、片持ち式のかたちにすることもあります。 強度的には弱くなりますが、加工している部分が見えるので、作業がしやすくなる利点があります。 固定ストリッパの欠点は加工している部分が、ふたをされたかたちとなるので見えないことで、作業者から不安を感じると指摘されることもあります。タグ:
- 【図1】は、固定ストリッパ形式のブランク抜き型を示しています。 今回は、この構造の固定ストリッパの役割について見ていきます。 【図2】の(a)は、パンチが材料を打ち抜いた状態を示しています。「抜き品」はダイを通過して下に落ちます。 パンチは貫通した材料が食いついた状態となります。パンチは【図2】(b)に示すように、材料の食いついた状態から離脱する必要があります。 一般的には、パンチに材料は比較的強く食いついています。その強さは打ち抜き力の5%前後といわれています。 効率よくパンチから材料をはがすことが必要です。その役割がストリッパです。 【図2】(c)が固定ストリッパのイメージです。 パンチが通過する固定部品(ストリッパ)で材料を掻き落とすことが簡単で、効率的なためブランク抜き型ではよく使われます。タグ:
- パンチの設計を「打ち抜きパンチの設計(打ち抜き型の設計 その2)」で説明しました。そのときに、パンチが小さくなってくると単独での保持が難しくなり、プレートに埋め込んで固定する方法をとることを説明しています。このパンチを保持するプレートがパンチプレートです。パンチプレートを使った固定ストリッパ構造の標準的な構造が【図1】です。タグ:
- パンチホルダは上型を保持する部品です。特別な例(パンチにシャンクを直接付けるなど)を除いて、上型を構成する部品はパンチホルダに取り付けられます。 パンチホルダには、上型の剛性を支える役割もあります。 上型にスプリングを使う構造の金型では、スプリングの長さに合わせて、ホルダの厚さを調節することもあります。 プレス機械への上型取付がシャンクでは不安となる大きな金型では、パンチホルダを利用して取り付けます。 取り付け方法のいくつかを示したものが、【図1】です。タグ:
- フリーシャンク(【図1】参照)は、シャンクホルダとシャンクヘッドの2部品から成り立っています。シャンクホルダをプレス機械のスライドに取り付け、シャンクヘッドを金型に取り付けます。シャンクホルダの溝に、シャンクヘッドの上部を引っかけるようにして取り付けます。 このシャンクはパンチホルダに押し力を伝えることと、パンチホルダを引き上げる動きをします。2つのホルダの関係は、相当大きな遊びを持っています。 そのため、上型と下型は、常にガイドポストとガイドブッシュによって、関係が保たれていなければなりません。タグ: