【図1】を参照してください。ストリップレイアウトに対応した、パンチとパイロットについて解説します。
このレイアウトでは抜きと下曲げがあります。可動ストリッパ構造を想定すると、ストリッパ面は下曲げのパンチに合わせることになります。
曲げ加工はスプリングバック対策として、曲げの外側Rを圧縮する方法を採用しています。ノックアウトはストリッパと一体としてもよいのですが、底突きの関係から分離したノックアウトを採用しています。曲げに必要な条件を決めていくと寸法が決まります。
(s)寸法がそうです。s寸法をダイ面からの寸法とすると、次のような形で全長(L1)が決まります。
順送り加工で基準とすべきパンチは抜きのパンチです。ここでは穴抜きパンチがあります。
まず、パンチ長さ(L)、パンチのダイへの入り込み深さ(x)を決めます。L-xは、ダイ面からパンチプレート背面まででの寸法です。この寸法はパンチの長さ(L)が変化しない限り一定です。
したがって、L-x+s=L1となります。
パイロットの設計ではストリッパの可動量が関係します。s寸法が可動量となります。図にはパイロット設計の代表的な形の「パイロット1」「パイロット2」を示しました。
パイロット2は一般的な形といえますが、ストリッパの可動量(s)だけダイに入ります。パイロットと穴とのこすれ距離が長く、穴の変形や材料の吊り上げの原因となることがあります。
パイロット1はストリッパ固定のパイロットです。sに関係なく材料との関係は一定となります。パイロットの使い方としてはよい形です。ただしストリッパプレートがインナーガイドで案内されていることが前提です。