U曲げ製品の順送り加工について解説します。ここでは最初の仕事展開について説明します。
話を進めるために、【図1】に示す製品図の形状を作ることにします。
最初に行うことは、曲げ形状を展開して平板なブランク形状を決めることです。U曲げの展開計算については、「V・U曲げの展開」を参照してください。
【図1】と【図2】を参照して下さい。曲げ半径(曲げ内側の半径、ここではR2mm)と材料板厚(1.5mm)の関係から、曲げ係数(λ、ここでは0.35)を求め、曲げ部分の展開長さを計算し、ウエッブ部分の長さと、2個所のフランジ部分の長さを足して、展開長さを算出します。ここでは42.49mmがそうです。
曲げ形状の展開図には、曲げ部の領域を破線で示しておくと便利です。1回で曲げてしまう形状であればよいのですが、複数工程をかけて加工するときに、曲げ位置を確認することがあります。このようなときに使います。
CADを使った展開の方法を紹介します。特別なものではありませんが、計算するのがいやな人のために。
曲げ係数(ここでは0.35)を求めておくのは手計算と同じです。この曲げ係数を使って中立面の位置を求めますが、CADのオフセット機能を使って【図2】の拡大図に示したように求めます。この円弧長さが曲げ部の展開長です。
後は、ウエッブ長さとフランジ長さ及び円弧部長さから作図して、形状を作ります。
90度曲げではそれほど感じませんが、変な角度のときには意外と便利です。