可動ストリッパ構造のパンチプレートの設計では、少し注意が必要です。
ストリッパプレートとの関係です。【図1】を参照して下さい。
パンチの先端とストリッパとの関係です。パンチの先端をストリッパプレートでガイドする場合と、ガイドしない場合で違いがあります。
パンチガイドしない場合は、パンチプレートでパンチの位置と垂直を確保しなければなりません。パンチプレート設計は、固定ストリッパ構造と同じ考え方となります。
パンチガイドする場合には、次の注意が必要になります。
パンチをパンチプレートに軽圧入して、ストリッパプレートでパンチ先端をガイドした場合、穴抜きのように複数のパンチがあるときに、その関係を正しく作ることができるかです。
もし、座標関係に誤差が生じた場合にパンチはストリッパプレートの穴にせるようにならないかです。これはストリッパプレートの穴径とパンチ径との関係から決まってきます。
問題が生じると感じたときには、パンチプレートの穴はパンチに対して少し大きくして、誤差を吸収するようにします。
このようなにすることで、パンチの組立基準はパンチプレートからストリッパプレートに移ります。
【図2】はパンチ長さとパンチプレートの厚さの関係をしめしたものです。
可動ストリッパ構造の場合、パンチプレートの厚さ(T)はパンチ長さ(L)の30%程度を目安とします。
【図3】は小径パンチの注意です。パンチプレートに加工しなければならない穴径(d)がパンチプレート厚さ(T)の1/3以下の場合、穴加工が難しくなります。
このような場合、穴の深さ(S)はパンチ径(d)の2倍程度とします。
【図4】はインナーポスト(ストリッパガイドピン)の径(d)とパンチプレートの厚さ(T)関係をしめしています。d≦Tとなるようにします。