(4)ボイラー効率の向上
パージ時間をどの位にするかなど、ボイラー燃焼サイクルの動作機構は、タイマー式や機械式など、ボイラーメーカーによって異なりますが、大幅な変更はほとんど不可能です。それは安全に関する機構であるからです。
前回ご紹介した、あるボイラーの運転状況を【図1】に示します。
この状態におけるパージ率は59%でありましたから、燃焼率100-59=41%を向上してボイラーの熱効率を高めるためには、着火回数を少なくして目的の蒸気発生量を得ることです。それには、燃焼可能な時間を制限することが考えられます。
この工場の加熱対象は、めっき浴などの水溶液であったため、比熱が非常に大きく浴温が容易に下がらないことから、ボイラーの燃焼可能時間を、毎時15分間に制限して運転したところ、【図2】のような運転結果が得られました。ボイラー制御盤にタイマーを設置して、毎時15分間の燃焼可能時間を設置したのです。
その結果驚くことに、燃料使用量は従来の1/3に激減しました。このように、ボイラーのメーカーの言いなりに使用するのではなく、自社工場の特徴を十分に検討して、その特徴をうまく生かして、省熱対策を実施しているところもあります。