(3)ボイラーの燃焼管理
前回ご説明したように、ボイラーの燃焼では、着火の前後にプレパージとポストパージがあり、安全のために炉内の未燃ガスの追い出しを行います。このことは赤熱した炉内の耐火材に送風するわけですから、冷却され大変な熱損失になります。
ある工場のボイラー運転状況を調べた結果を【図1】に示します。これは、ボイラーが消費する電流を時系列で記録したものです。
図で明らかなように、1時間毎の着火回数は、始業前の3回/hに対して、操業時には平均13回/hと凡そ5分間に一回着火しています。
そこで電流記録計の速度を速めて、もう少し詳しく運転状況を記録して、【図2】の結果を得ました。
図から、燃焼時間が37秒に対して、プレパージ19秒、ポストパージ35の合計54秒であり、パージ率は54/(54+37)=59%であることが分かります。このことは、燃焼時間よりボイラーを冷却している時間の方が長いことを意味しています。これでは燃料の大半を大気中に捨てていることになります。これを改善するには、着火回数を減らして、パージ時間を減少させることが必要です。