(2)ボイラーの燃焼サイクル
ボイラーの燃料には、プロパンガスや都市ガスなどの気体燃料、灯油、A重油などの液体燃料が使われています。これらはいずれも、着火温度の比較的低い可燃性の危険物ですから、燃料に際しては、最優先に安全な燃焼方式が求められます。これを、ボイラーの燃焼サイクルといい、法令で規定されています。これからボイラーの燃焼方式について考えてみましょう。【図1】に、あるボイラーの給水・燃焼系のフローシートを示します。
図で分かるように、ボイラーの燃焼は圧力スイッチ(PS)で制御されています。すなわち、蒸気圧力が設定圧力以下になると圧力スイッチがONになり、バーナーが作動して燃焼を始め、それによって蒸気圧力は上昇します。やがて設定圧力に達すると圧力スイッチがOFFになり、燃焼は停止します。この時バーナーは、【図2】に示すタイムサイクルで運転されます。圧力スイッチがONすると、直ちに送風機がまわり2次空気をおくります。プレパージの時間が経過するとスパークが始まり、燃料バルブが開き燃料が噴霧されてスパークによって着火されます。炉内が明るくなったことを確認してスパークは停止します。圧力スイッチが消火圧力に達すると油圧弁は閉じ消火しますが、送風機はポストパージに時間だけ運転を続けます。
このように燃焼の前後にパージを行って炉内の未燃ガスを追い出し、安全運転を確保しています。従って頻繁に燃焼を繰り返すと、パージ率が増加して熱損失が増加することになります。