表面処理工程内において、電力を有効に使うために、次のような対策がとられています。
(4)直流配線回路の点検
【図1】は、亜鉛めっきラインの整流器からめっき槽までの直流配線回路の直流電圧測定点を示したものです。デジタル式テスターで測定して、【表1】に示す結果が得られました。
AB両工場は、やや同じ規模の亜鉛めっき状態ですが、電気エネルギーの使われ方には大きな差があります。
【表1】直流電圧測定結果(V)
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すなわち、A工場の直流損失電力は0.4×7980×0.001=3.2KW/hであるのに対して、B工場のそれは、1.7×9900×0.001=16.8KW/hと、A工場の5倍も多いのです。これは、直流配線材料の導電率、断面積、接続面の接触抵抗などによるものです。
(5)整流器の診断
整流器は、交流電力を直流電力に変換する電気機械です。直流電力を制御するのにサイスターの位相制御で行いますので、整流器の使われ方によって力率・効率・出力波形などが左右されます。
【図2】に示すように、入力側・出力側の測定を行い、整流器のもつ能力を最大限に使用するように考えます。