鉄鋼薄板製品に対するめっきや塗装などの表面処理は、昔から成形後に行うのが当然のこととしてきましたが、近年、亜鉛めっきや塗装などをあらかじめ施した鋼板が使われ、成形後の表面処理は不用になってきました。
これらの鋼板は、表面処理鋼板と呼ばれ、亜鉛めっき鋼板を中心として、安価で優れた防錆効果や、プリント(木目などを印刷塗装できる)などの装飾効果のため、自動車・建材などに爆発的に採用されるようになりました。
表面処理鋼板には実に多くの種類があり、混乱しますが、表面処理の方法で分類すると、溶融めっき鋼板、電気めっき鋼板、塗装鋼板およびこれらの組み合わせの鋼板などがあります。【表1】に分類してみました。
【表1】表面処理鋼板の分類
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表面処理鋼板は、冷間圧延された鋼板を、【図1】に示すように表面の浄化・鋼板の焼鈍・めっき・後処理と連続式で処理されます。
生産量からみた表面処理鋼板の主流は、亜鉛めっき鋼板で、約80%を占めていますが、その特徴は、亜鉛単体のめっきではなく、Zn-Fe、Zn-Ni、Zn-Alなどの合金めっきが開発され、耐食性を格段に向上させたことにあります。