機能めっきの物理的特性は、次の通りです。
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(1)はんだ付け性
二つの金属表面に対するハンダなどの接合性のよさで、ハンダとの馴染み易さ、ハンダの濡れ性のよさを表します。電子部品、半導体部品、電機部品、機械部品等で、ハンダ付けを必要とするものには欠かすことのできない性質です。
(2)ボンデング性
半導体素子の電極と、リードフレームのリードとの接続をボンデングといいます。通常、この接続には、金やアルミニウム線が使われますが、これらとの接続性のよさをボンデング性といっています。めっきに要求される特性は、皮膜の柔らかさ、表面清浄さ、加熱密着性などです。金・銀・無電解ニッケルめっきなどが使われます。 |
(3)多孔性
表面に多数の微細穴(ポーラス)のあることで、この穴に潤滑油などを保持できる性質です。内燃機関のピストンやシリンダーには、潤滑性が極めて重要ですが、多孔性の工業用ポーラスクロムなどによって目的を達しています。
(4)非粘着性
型離れ性と同じ意味で、ものが付着しない性質です。同時に低摩擦係数とすべり性とも関係があります。従来はゴムやプラスチックの金型には離型剤を使用して、ワークと金型の型離れを促進していましたが、非粘着性のすぐれた分散めっきを金型に施すことによって離型剤なしで成形が可能になりました。
(5)接着性/塗装密着性
金属と有機高分子材料の接着力を向上させる性質のことで、金属に対する塗装、ライニング、複合材料形成などで求められる性質です。自動車用ラジアルタイヤなどでは、鋼線に銅・亜鉛の2層めっきを施した後熱処理によって拡散させ、所望の合金層を得てゴムとの接着性を高めております。