[2024/1/18公開]
Question
あり溝加工をするときの注意点を教えて
あり溝カッターで、あり溝加工を行おうとしましたが、カッターが折れてしまいました。加工条件は切削条件表どおりなのですが、その他の注意点を教えてもらえますか?
Answer
Tスロットカッターやあり溝カッターは、刃径に対してネックが細いので過負荷にならないように注意が必要です。加工条件はもちろんなのですが、前加工と切りくずの処理にも注意が必要です。
Tスロットカッターやあり溝カッターは底刃が無いので、下方向に送る加工はできません。
カッターの設置において、破損の原因となる切削時の振動が起こらないようにカッターのシャンク部の汚れ、傷、付着物などの除去が必要です。また保持具の口元部の摩耗などの確認が必要です。
加工方法においては、Tスロットカッターやあり溝カッターはネックが細く強度が無いので、底刃がフラットの2枚刃スクエアエンドミルなどであらかじめ溝の前加工をして、できる限り刃先に負荷がかからないようにします。また、切込み量が大きい場合は切込みを複数回に分けると刃先負荷が軽減します。
前加工や複数回に分けて加工する場合、溝の底に切りくずが残らないように注意します。切りくずが残っているとカッターの底と被削材の間に切りくずがはさまり折損することがあります。手間ではありますが、1回加工ごとにエアーブローや刷毛などで溝に切りくずが残らないように清掃します。
切りくずが残った状態で
刃を下すと折損する