[2023/10/16公開]
Question
ワンタッチ操作でクランプできるような、操作性の良い治具はありますか?
・頻繁なワーク交換でクランプ/アンクランプを繰り返すため、工具で締めるのが面倒だ。
・多種類の工具を使い分けており、治具交換の度に工具を探すのに時間を取られる。
Answer
レバーやハンドルなど操作、工具不要の簡単なクランプを使用する。
工具を使わずにクランプを行うメリット
工具レスの治具を利用することには、以下のような利点がございます。
・工具を回して締付ける時間が無くなり、クランプ時間の短縮。
・多種類の工具の中から、必要な工具を探し当てる時間を削減。
・作業者による締付力のバラつきがなく、段取り時間の短縮。
![段取り時間の短縮による工数削減](/tech-info/sites/default/files/media/jp/j0110/j0110_01.png)
工具レス治具の使用により、段取り時間はおおよそ1/4~1/10程度短くなると言われます。
加工や測定、対象ワークの条件など、場面に応じて工具締めとワンタッチ治具を使い分けることで、業務効率の向上に繋げることができます。
ワンタッチクランプの仕組み
レバーやハンドルを押し込んでクランプします。
代表的なクランプの仕組みとして、トグル機構やカム機構の製品があります。
![トグル(リンク)機構](/tech-info/sites/default/files/media/jp/j0110/j0110_02.png)
リンク(継手)機構とも呼ばれており、"行き端" 寸前のわずかなストロークを利用します。
ストローク(行き端~戻り端)としては大きな隙間が得られる、作業性の高いクランプ機構です。
![カム機構](/tech-info/sites/default/files/media/jp/j0110/j0110_03.png)
カムは偏心しており、カーブした表面と回転中心との距離の変化を利用します。
この偏心量(距離の変化)がワークに対してクランプ力を与える機構です。
他にも、ばねの戻り機構を用いて、押し込みや挟み込みでクランプする手法など、
工具レスのクランプ機構にはさまざまなものが存在します。
加工用のワンタッチクランプ
レバーや押し込みで操作できる、軽切削向きの治具シリーズ
![トグル型](/tech-info/sites/default/files/media/jp/j0110/j0110_04.png)
トグル型
![ハンドル操作型](/tech-info/sites/default/files/media/jp/j0110/j0110_05.png)
ハンドル操作型
![レバー操作型](/tech-info/sites/default/files/media/jp/j0110/j0110_06.png)
レバー操作型
測定用のワンタッチクランプ
検査や測定においても複雑な治具設計/操作が必要ありません。
3次元測定向け
![トグル型](/tech-info/sites/default/files/media/jp/j0110/j0110_07.png)
ハンドル操作で測定器での
異形クランプを簡単に
小物向け
![トグル型](/tech-info/sites/default/files/media/jp/j0110/j0110_08.png)
クリップ式レバーで小物の測定に
小物向け
![トグル型](/tech-info/sites/default/files/media/jp/j0110/j0110_09.png)
ばね式のピンによって
押し込むだけでワーク保持が可能
使用事例
素早いクランプで作業効率向上
![穴あけ加工でのトグルクランプ使用事例](/tech-info/sites/default/files/media/jp/j0110/j0110_10.png)
穴あけ加工でのトグルクランプ使用事例
![クランプピン付プレートで小物の多数個取りも素早く](/tech-info/sites/default/files/media/jp/j0110/j0110_11.png)
クランプピン付プレートで小物の多数個取りも素早く
![フレックスサポートで測定時の異形ワーククランプ](/tech-info/sites/default/files/media/jp/j0110/j0110_12.png)
フレックスサポートで測定時の異形ワーククランプ
![メジャーリングクランプを使って小型丸物も楽々クランプ](/tech-info/sites/default/files/media/jp/j0110/j0110_13.png)
メジャーリングクランプを使って小型丸物も楽々クランプ
出典:株式会社ナベヤ