- 静電気発生のメカニズム
- 基本的な静電気対策
- ミスミ商品を使った対策
どのような静電気対策をすればいい?
静電気による障害の対策は、静電気を発生させない、帯電や放電・導電させない施策が必要になります。基本的な対策を確認していきましょう。
接地(アース)
金属等の導体に適しており、最も基本的な対策。摩擦等により発生した電荷を大地へすみやかに放電させます。
物体に帯電した電荷をゼロにし、大地間との電位差をゼロにすることができます。
絶縁物の帯電防止
ゴムやプラスチックのように抵抗率の高い物質は、絶縁体と呼ばれ、静電気が移動しにくく、接地しても帯電防止できません。
静電気の発生を防止するとともに、絶縁物への導体性付与や帯電を緩和させる除電、環境の多湿化等が実施されています。
(1)静電気の発生防止
接触面積・接触圧力の減少、接触回数の低減、
接触・分離速度の低下、急速はく離の防止、 表面状態の洗浄・円滑化など
(2)絶縁体への導体性付与
表面の導電化としては、帯電防止剤の添加、導電性塗料やめっき。
内部の導電化としては、金属物質やカーボンブラックなどの混入、
導電性ポリマーの使用など。
- 表面処理講座 第186回 静電防止塗料
(3)除電
帯電物体の近くに帯電電荷と反対の極性イオンを供給すると、クーロン力(静電気力)によってこのイオンが帯電電荷に吸着され、帯電電荷の中和、すなわち除電ができます。
一般にコロナ放電の電離作用等で、除電用の空気イオンを生成・供給するイオナイザ―という装置が使われています。
(4)多湿化
絶縁体の多くは環境を多湿化(加湿)することによってある程度帯電防止することができます。
環境の湿度が高いと、熱運動によって物体に衝突し吸着される水蒸気の量が多くなり物体の表面に水分子の導電層が形成されるため、表面抵抗率が低下し、帯電が抑制されます。
作業者の帯電防止
人体自体は導体であり、作業者は行動するため、帯電します。
また、衣服や履物、あるいは工具等の使用によって、絶縁性、半導体性、金属製のどの性質にもなりえます。
具体的には、作業者が身につけるもの、作業中に接触するものに導電性を持たせ、帯電電荷を速やかに拡散漏えいさせる対策を行います。