カムフォロア / ローラフォロアとは
カムフォロアやローラフォロアは従来自動機、専用機のカム機構として多く使用されてきましたが、近年工作機械・印刷機械・プレス機械、搬送装置、コンベアなどのガイドローラとしても幅広く取り入られています。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
カムフォロア
厚肉な外輪と内部にニードルと呼ばれる針状のローラを組み込んだ剛性の高い軸付きベアリングです。
ニードルが回転能力を高める働きをし、高速回転に耐えることができます。また、通常のベアリングよりも外輪が厚肉な設計になっており、衝撃荷重や荷二重がかかる場所にもお使い頂けます。
特徴
- 1.軸付きなので取り付けが簡単
- 2.荷重負荷がかかる場所に最適
- 3.高速回転にも対応
使用例
使用例1 (カム機構)
カムと往復従動節による回転 → 直線変換機構と、
ワンタッチクランプ機構の図です。
使用例2 (ガイドローラ)
ベアリングの代わりとしての使用です。
リニアガイドの直線運動に合わせて外輪が回転します。
使用例3 (搬送ローラ)
搬送用ローラとしての使用です。
外輪が回転して荷物を搬送します。
ローラフォロア
内部にニードルと呼ばれる針状のローラが組み込まれている剛性の高いベアリングです。軸無しなのでコンパクトな設計が可能です。カムフォロアと同様に厚肉な外輪と内輪、ニードルを組み合わせた構造で、荷重のかかる場所や高速回転が必要な場所でもお使い頂けます。ローラフォロアを固定するピンは長さ指定が可能なので、相手側の板厚を気にせずお使い頂くことができます。
またローラフォロアには、内輪と外輪が分離できる分離タイプと、内輪に側板(シール)を固定した非分離タイプに大別されます。用途に合わせて形状や構造にさまざまな種類があります。
特徴
- 1.小スペースな場所に最適
- 2.ローラよりも荷重に強い
- 3.相手板厚を気にせず取付できる
分離タイプと非分離タイプの比較
比較項目 | 分離タイプ | 非分離タイプ |
---|---|---|
軸受け幅の公差 | 公差が大きい | 公差が小さい |
側板に外力を受けた時 | 側板移動の可能性が小さい | 側板移動の可能性が大きい |
コの字形のハウジングに組んだ使用 | ― | 有利 |
スタッドによる固定の使用 | 有利 | ― |
使用例
使用例1 (搬送ローラ)
パレットや鉄板の受けとして。
使用例2 (搬送ローラ)
スラッドコンベアの両サイドに。
バリエーションと特徴
多彩なバリエーションで用途に合わせた細かな使い分けが可能です。
カムフォロア
ローラフォロア
ユーザーの声
基本的なカム機構や搬送用途としてだけではく、最近ではATMやプリンターの内部で、ウレタン付のカムやローラフォロアが使われているそうです。紙幣やプリントを機械の中で搬送や外に吐き出す際に、ウレタンを使うことで、その高い摩擦力によって紙幣や紙をスムーズに送り出せます。
ほかにもまださまざまな用途がありそうですね。
皆様もぜひこんなところで設計に取り入れていますという声をお聞かせください。