(1)カップリングとは
モータと回転駆動機構を結合する機械要素の一つがカップリングで、高度なデジタル制御装置の導入とともに回転伝達機構に対して、高精度・高剛性・高速化の要求が向上しています。
(2)カップリングの役割
回転モータと軸(ボールねじなど)を連結させる場合、高精度に連結できても可動時には次のような変動状態が生じます。
- (1)
- 運転中の軸(ボールねじ等)のたわみ
- (2)
- 2本の軸の熱膨張による軸の変形と変形応力
- (3)
- ボールねじの支持部の変形
- (4)
- 長時間使用後では軸受の摩耗による摩擦抵抗の偏り
上記(1)〜(4)の変動要因を解消させるために、カップリング(たわみ軸継手)を採用します。
(3)カップリングに求められる機能
- a)
- 高剛性・・・サーボシステムの高精度高速化対応のため
■解説
カップリング剛性が小さいとサーボシステムの遅れ(ロストモーション)を生じやすく成り、停止位置精度の低下や共振の原因になる。 - b)
- ノーバックラッシュ・・・サーボシステムの高精度化対応のため
■解説
機械系のバックラッシュ(ガタ)はサーボシステムでは致命的欠陥となるため、摺動部がないノーバックラッシュカップリングの選定が必要。カップリングの軸固定方式は、キー伝達方式よりも摩擦固定方式が好ましい。 - c)
- 高低慣性・・・サーボシステムの応答性を良くするため
- d)
- 減衰特性・・・駆動システムの発振を抑えるため
(4)高剛性ディスク形カップリングの特徴
- *高速・高精度制御性に優れるサーボモータへの対応商品です。
- *ディスクタイプのため、ねじれ方向の高剛性化でバックラッシュがほとんど無く、また、軸とのアライメント誤差により生じる軸方向・こじれ方向・段違い方向には、高いフレキシブル特性を有すため、位置合わせが容易です。
- *クランピングタイプの採用によりキー溝などの軸加工が不要となり、軸強度の低下がありません。