電気めっきによって作られる表面処理鋼板を、【表1】に示します。
【表1】電気めっきによる表面処理鋼板
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電気亜鉛めっき鋼板は、溶融亜鉛めっき鋼板に較べ、めっき付着量が少なくて均一であり、加工性がよく、塗装し上がりが美しいことから、あらゆる分野に使われています。さらに厳しい耐食性が求められる場合には、めっきの付着量を増すことが考えられますが、そうすると加工性や溶接性に不具合が発生します。
そこで開発されたのが電気亜鉛系合金めっきです。この鋼板は、電気めっきの少ない付着量で耐食性、塗装性、溶接性、プレス加工性など向上させました。合金めっきとしては、Zn-Ni系とZn-Fe系が主流です。Zn-Ni系のものは10〜13%のNiを含有し、純亜鉛に較べて格段に厳しい腐食環境にも耐えるもので、めっきのまま使用しても腐食生成物の耐食性が優れているため高度の腐食に耐えます。最近は更に耐食性を高めるため、めっきの上に有機皮膜を塗布した複合皮膜も開発されています。
Zn-Fe系のめっき鋼板は、10〜30%の鉄を含有し、主として塗装後の耐食性を重視したものです。この鋼板の電着塗装性を向上させた表面処理鋼板が、Fe合金層の上にFe-ZnやFe-Pをフラシュめっきした2層亜鉛合金めっき鋼板です。