適用範囲
この規格は、鋼材および鋼材加工品に防食の目的で施される溶融亜鉛めっきの有効面について規定する。ただし、連続的に溶融亜鉛めっきされた溶融亜鉛めっき鋼板類、亜鉛めっき鋼線類は除く。
種類および記号
種類 | 記号 | 適用例(参考) |
---|---|---|
1種A | HDZ A | 厚さ5mm以下の鋼材・鋼製品、鋼管類、直径12mm以上のボルト・ナットおよび厚さ2.3mmを超える座金類。 |
1種B | HDZ B | 厚さ5mmを超える鋼材・鋼製品、鋼管類および鋳鍛造品類。 |
2種35 | HDZ 35 | 厚さ1mm以上2mm以下の鋼材・鋼製品、直径12mm以上のボルト・ナットおよび厚さ2.3mmを超える座金類。 |
2種40 | HDZ 40 | 厚さ2mmを超え3mm以下の鋼材・鋼製品および鋳鍛造品類。 |
2種45 | HDZ 45 | 厚さ3mmを超え5mm以下の鋼材・鋼製品および鋳鍛造品類。 |
2種50 | HDZ 50 | 厚さ5mmを超える鋼材・鋼製品、鋼管類および鋳鍛造品類。 |
2種55 | HDZ 55 | 過酷な腐食環境下で使用される鋼材・鋼製品および鋳鍛造品類。 |
備考
- 1.
- HDZ 55のめっきを要求するものは、素材の厚さ6mm以上であることが望ましい。
- 2.
- 表中、適用例の欄で示す厚さおよび直径は、呼称寸法による。
- 3.
- 過酷な腐食環境は、海塩粒子濃度の高い海岸、凍結防止剤の散布される地域などをいう。
付着量および硫酸銅試験回数
めっきの付着量は、JIS H 0401の付着試験方法の直接法または間接法(ただし、めっき1種Aおよび1種Bは適用しない)を行ったとき、下表に適合しなければならない。
硫酸銅試験(めっき1種Aおよび1種Bの場合、JIS H 0401の硫酸銅試験方法)回数は、下表の回数を行ったとき、JIS H 0401の6.8に規定する判定基準を満足しなければならない。
種類 | 記号 | 硫酸銅 試験回数 |
付着量 (g/m2) |
平均めっき膜厚 (μm)(参考) |
---|---|---|---|---|
1種A | HDZ A | 4回 | ‐ | 28~42 |
1種B | HDZ B | 5回 | ‐ | 35~49 |
2種35 | HDZ 35 | ‐ | 350以上 | 49以上 |
2種40 | HDZ 40 | ‐ | 400以上 | 56以上 |
2種45 | HDZ 45 | ‐ | 450以上 | 63以上 |
2種50 | HDZ 50 | ‐ | 500以上 | 69以上 |
2種55 | HDZ 55 | ‐ | 550以上 | 76以上 |
備考
- 1.
- めっき膜厚とは、めっき表面から素材表面までの距離をいう。
- 2.
- 1種Aおよび1種Bの平均めっき膜厚欄の数値は、硫酸銅試験回数から推定した最小めっき皮膜厚さの範囲を示す。
- 3.
- 平均めっき膜厚は、めっき皮膜の密度を7.2g/cm3として、付着量を除した値を示す。