適用範囲
この規格は、鋼材および鋼材加工品に施した溶融亜鉛めっきの試験方法について規定する。
試験方法の分類
試験方法は下表の付着試験、均一性試験、密着性試験および性状試験の4種類に分類する。
素材の分類 | 試験方法 | ||||||
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付着試験 | 均一性試験 (硫酸銅試験) |
密着性試験 | 性状試験 (アルカリ試験) |
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直接法 | 間接法 | 磁力式 厚さ試験 |
目視 | ハンマ 試験 |
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管類 | a) | b) | c) | d) | e) | - | g *) |
圧延鋼材類 | a) | b) | c) | d) | e) | f) | - |
加工品類 | a) | b) | c) | d) | e) | f) | - |
ボルト・ナット類 | a) | b) | c) | d) | e) | f) | - |
鋳鍛造品類 | a) | b) | c) | d) | e) | f) | - |
付着試験
a) 直接法
試験片をめっき前にひょう量して、めっき後再びひょう量し、その増量から付着量を求める。
b) 間接法
めっきされた試験片をひょう量した後、塩酸でめっき皮膜を溶解除去し、再びひょう量し、その減量から付着量を求める。
c) 磁力式厚さ試験
磁力式測定装置を用いて製品のめっき皮膜厚さを測定し、その皮膜厚さから換算によって付着量を求める。一般事項は、JIS H 8501の磁力式試験方法による。
均一性試験
d) 均一性試験方法(硫酸銅試験)
めっきされた試験片を硫酸銅溶液の中に約60秒浸せきし、これを規定回数繰返し、試験片表面の銅の析出の有無を目視で判定する。
注釈
硫酸銅試験1回当たりの浸せきでは、8μm程度の厚さが減少する。
密着性試験
e) 目視による方法
仕上げ完了後、ハンドリングでのめっき皮膜のき裂または剥離の有無を調べる。
注釈
目視による方法は、ハンマ試験の適用を受けない製品に適用する。
f) ハンマ試験
ハンマで打撃を加えたときのめっき皮膜の表面状態を調べる。ただし、試験片は表面が平たんで約40mm以上 x 40mm以上 x 8(厚さ)mm以上とする。
性状試験
g) 性状試験方法(アルカリ試験)
性状試験は、JIS G 3442水配管用亜鉛めっき鋼管だけに適用する。製品をそのまま試験片とし、試験片の長さは30mmとする。
試験液は、JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム20gまたは JIS K 8574に規定する水酸化カリウム28gを、水100mℓに溶かしたものとする。試験片を投入し、めっき皮膜溶解後、素材表面に達したときの時間をはかり、判定する。