(3)冷却
製品は亜鉛浴から引き上げ、たれ切り後冷却されます。冷却には水冷と空冷がありますが、一般には水冷されます。急冷によるひずみの発生を防止するために、冷水ではなく、70℃以上の温水にして冷却します。板厚の厚いものなどひずみ発生を重視するものは、空冷を行いますが、外観は水冷より悪くなります。
(4)仕上げ工程
めっきされた製品は、製品端部にできた亜鉛たれ、不めっき処理すべき部分に付着した亜鉛と不めっき剤、孔部に溜まった亜鉛、極端なざらつきなどを除去して仕上げます。
鉄鋼製品には、その製造過程で生じた残留応力がありますので、それがめっきの熱により開放され歪みとなって現れます。歪み発生の程度が許容限度内か、矯正が必要か、また可能かなどが取引上問題になります。歪み発生の具体的な例として、溶接方法による歪み発生例を下図に示します。
(5)部分不めっき
鉄骨製品などでは、めっき後溶接を必要とするものなどがあり、溶融めっきを施してほしくない部分があります。この場合には「不めっき」対策を必要とします。不めっき対策は、めっきした部分をグラインダー等で除去する方法もありますが、コストが増します。不めっきを必要とする部分をマスキングする方法があります。
マスキングの方法として、次のようなことが行なわれています。
1. | 石灰または耐熱材料でマスキングする。 | |
2. | 素材の錆やスケールを残すように、不めっき部分に、耐薬品性の塗料を塗布してから酸洗する。 | |
3. | 2.の後で、1.を施す。 |
※ | 連続式で大量生産されている表面処理鋼板については、別項で取り上げます。 |