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ファイバーセンサとは?種類・用途・選定・設置方法を解説

ファイバーセンサは、光ファイバケーブルによって光の投受光経路を検出位置まで延長できる光電センサの一種です。検出対象・設置環境・出力が決まれば、下の比較表で方式の一次選定ができます。目的に応じて以下から進んでください。

このページの目次

ファイバーセンサの4つの検出方式を比較:透過・回帰反射・拡散反射・限定反射

まずこの比較表で方式を絞り込みます。ファイバーセンサの検出方式は光電センサと共通の4方式があり、ワーク・環境に合わせた方式選択が検出精度と安定性を左右します。

検出方式 原理 特徴 適用例
透過型(対向型) 投光ファイバと受光ファイバを対向配置し、ワークが光軸を遮ったときの受光量変化で検出 安定した検出。光軸調整が必要。両側への配線が必要 細線・微小ワーク検出、フィルム検出
回帰反射型 回帰反射板(リフレクタ)で反射させた光を受光し、ワークが光路を遮ったときの受光量変化で検出 片側への配線・設置が容易。リフレクタ設置スペースが必要 透明体検出
拡散反射型(直接反射型) ワーク自体からの拡散反射光を受光して検出 片側のみで設置容易。ワークの色・光沢・表面状態の影響を受けやすい 小物ワークの有無確認、部品の通過検出
限定反射型 投光ビームと受光エリアが重なる一定距離範囲にあるワークからの反射光を受光して検出 背景を拾いにくく、色の影響を受けにくい。ワークのツヤ・傾きの影響を受けやすい 背景が近いワークの有無確認、段差検出、ガラス検出

仕様からファイバーセンサを絞り込む

ファイバーセンサの選定フロー(4ステップで絞り込む)

検出対象 → 設置スペース → 環境 → 出力・アンプの順に決めれば機種が固まります。

  • 1:検出対象とワークサイズから方式・コア径を確認する
    細線・微小ワークやフィルム検出は透過型、透明体検出は回帰反射型、片側設置のみ可能なら拡散反射型、光沢体・透明体や背景が近い場合は限定反射型を選びます。検出ワークのサイズと要求精度からコア径を選定します。一般に、コア径が大きいほど受光量を確保しやすく、コア径が小さいほど光軸やスポットを細くしやすいため、微小ワークの検出に向きます。微小ワークでは、小スポットタイプや細径ファイバも検討します。
  • 2:設置スペースに合うファイバヘッドを選ぶ
    検出対象のサイズ・形状、設置スペース、光を当てる方向に合わせてファイバヘッドを選定します。ファイバヘッドには、ねじ型、ナット型、円柱型、角型、フラット型、スリーブ型などの取付形状に加え、サイドビュー型や同軸反射型など、検出方向や投受光構造に特徴を持つタイプがあります。先端径が数mm程度の細径ファイバヘッドのものも多く、電子部品の微小チップ検出や金型内部への組み込みといった狭小スペースへ適用できます。
  • 3:使用環境からファイバの材質を決める
    一般的な工場環境には低コストで取り回しの容易なプラスチックファイバを選びます。高温環境では耐熱ファイバ、薬液環境では耐薬品仕様、クリーンルームでは材質や発塵性に配慮したタイプを選定します。
    高温環境でガラスファイバは機種により~350℃程度まで対応なものもありますが、メーカー・型式により異なるため各メーカーの仕様を確認ください。ファイバヘッドは電気部品を含まないため、高温・電磁ノイズ・薬液雰囲気中にも配置でき、アンプユニットは安全な場所に設置します。
  • 4:出力・アンプ仕様を用途に合わせる
    ファイバアンプユニットは光源(LED)・受光素子・増幅回路・比較回路・出力回路・デジタル表示部を内蔵し、受光量のしきい値と比較してON/OFF信号を出力します。ワンタッチティーチング機能の有無、コネクタ/ケーブル接続、IP等級などを設置環境と保守性から選びます。ファイバヘッドとアンプユニットの互換性を確認して選定・管理してください。

ファイバーセンサのメリット・デメリット

メリット

メリット 説明
過酷環境への設置ができる ファイバヘッドは電気回路を含まないため、高温部や電磁ノイズ源の近くに設置しやすい。耐熱・耐薬品仕様を選定すれば、高温・薬液雰囲気にも対応でき、アンプユニットは熱・薬液・ノイズの影響を受けにくい場所に設置する
狭小スペースへの対応 先端径が数mm程度の細径ファイバヘッドにより、金型内・基板搭載ライン・ロボット先端などへの組み込みができる
軽量・柔軟な取り回し プラスチックファイバーケーブルは軽量で、曲げやすいため配線の自由度が高い
アンプを遠隔設置できる 回路部分を制御盤内などノイズの少ない場所に集約でき、保守・設定変更が容易

デメリット

デメリット 説明
ファイバの折れ・潰れに注意 最小曲げ半径を下回る配線や挟み込みでファイバが折れ・断線するため、配線ルート管理が必要
色・光沢の影響(拡散反射型) 拡散反射型ではワークの色・表面光沢によって受光量が変動し、誤検出の原因となる場合がある
透過型は両側設置が必要 透過型は投光・受光を対向させるため、ワークの両側にファイバヘッドを配置しなければならない
アンプとセットで管理が必要 ファイバヘッドとアンプユニットの互換性を確認して選定・管理する必要がある
台数が増えるほどコストが必要 ファイバーセンサはアンプとファイバのセット費用が発生するため、台数が増えるほどコスト差が広がる

ファイバーセンサの設置・調整方法

アンプ感度調整(しきい値レベル設定)

ファイバアンプのデジタル表示で、ワーク有り時と無し時の受光量を確認し、両者を安定して判別できる位置にしきい値を設定します。しきい値に対する受光量の余裕度が大きいほど、安定した検出を維持しやすくなります。

ティーチングによる自動感度設定

多くのファイバアンプはワンタッチティーチング機能を備えており、ワーク有り・無しの状態を順にボタン操作で登録することで、しきい値を自動算出します。手動による感度調整よりも素早く最適値に設定できます。

ファイバの取り付け・固定

ファイバヘッドは付属の固定クランプやアダプタでしっかりと固定し、振動による位置ずれを防止します。ファイバケーブルの配線は最小曲げ半径を遵守し、配線クランプで固定したうえで、定期的な点検により断線の兆候がないか確認します。プラスチックファイバの標準的な最小曲げ半径は1mm~10mm程度、ガラスファイバは10~30mm程度が目安です(製品仕様を必ず確認してください)。

透過型の光軸調整手順

透過型を設置する際は、投光側ファイバと受光側ファイバの光軸を正確に合わせます。アンプの受光量表示を見ながら受光側ファイバの角度・位置を微調整し、受光量が最大になる位置で固定します。光軸ずれは感度低下・誤検出の原因となるため、設置後の確認と定期点検をしてください。

ファイバーセンサの基本構成(補足:アンプユニットとファイバヘッド)

ファイバーセンサは、光ファイバケーブルによって光の投受光経路を検出位置まで延長できる光電センサの一種です。一般的な光電センサは投光・受光回路とレンズを一体の筐体に収めています。一方ファイバーセンサは、回路基板・増幅器・出力回路を含む「ファイバアンプユニット」と、光を導く「ファイバヘッド(先端部)」を分離して使います。

ファイバアンプユニットはDINレールや制御盤内などノイズの少ない場所に設置し、ファイバヘッドのみを検出ポイントに配置します。ファイバヘッドは投光用と受光用が同一ケーブル内に並走(同軸型)するタイプや、別々のケーブルに分かれるタイプなどがあります。

よくある質問

ファイバーセンサと光電センサの違いは?

ファイバーセンサは回路を含むファイバアンプユニットと、検出部側に電子回路を含まないファイバヘッドを分離して使う光電センサの一種です。アンプをノイズ源や高温部から離した場所、または制御盤内の適切な位置に設置し、仕様に適合するファイバユニットを選定すれば、高温部、薬液雰囲気、狭小スペースなどに検出部を配置しやすい点が、アンプ内蔵型などの一体型光電センサとの違いです。

ファイバーセンサの検出方式はどう選べばよいですか?

検出対象→設置距離・スペース→環境→出力の順に絞り込みます。細線・微小ワークやフィルム検出は一般に透過型が有力な候補です。透明体検出は回帰反射型、片側設置のみ可能なら拡散反射型、背景が近い場合は限定反射型が目安です。

高温炉や薬液環境ではどのファイバを選びますか?

高温部や薬液環境では、耐熱・耐薬品仕様のガラスファイバや保護チューブ付きファイバを検討します(対応温度や薬液適合性は型式ごとの仕様確認が必要です)。アンプユニットは炉外などの常温部に設置し、ファイバヘッドのみを過酷環境へ引き込みます。一般的な工場環境では低コストで取り回しの容易なプラスチックファイバが候補となります。

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