メインコンテンツに移動

光電センサとは?検出方式・種類・選定方法・用途事例を解説

光電センサは、光の遮断・反射による光量変化を受光素子で捉え、物体の有無を非接触で検出するセンサです。なお、機種によっては物体までの距離を測定できるタイプもあります。検出距離・検出対象・設置スペースが決まれば、下の比較表で方式の一次選定ができます。目的に応じて以下から進んでください。

このページの目次

光電センサの検出方式を比較:透過型・回帰反射型・拡散反射型・距離設定型

用途に対し、まずこの比較表で検出方式を絞り込みます。長距離・安定検出は透過型、片側配線で省スペースは回帰反射型、近距離でセンサ単体構成にしたい場合は拡散反射型、背景の影響を抑えたい場合は距離設定型が候補になります。透明体や光沢体は条件依存性が大きいため、透明体検出用の専用光電センサ(回帰反射型など)、偏光フィルタ付き回帰反射型(MSR機能付きなど)などの専用タイプを含めて選定し、実機で確認することが重要です。

タイプ 原理 検出距離の目安 特徴 適用例
透過型(光軸型) 投光器と受光器を対向配置し、光ビームが遮断されたときに検出 最大30m程度 検出安定性が高く、微小物体の検出も可能。投光器・受光器の両方に配線・設置が必要 ゲート通過検知、搬送ライン上のワーク検出
回帰反射型(ミラー反射型) 投光・受光一体型ヘッド+反射板(リフレクタ)で光を折り返し、遮断を検出 最大10m程度 配線はセンサ側(片側)のみで済み、設置スペースを節約できる 省スペース設置、パレット・大型ワーク検知
拡散反射型(直接反射型) 投光・受光一体型ヘッドから投光し、検出対象からの乱反射光を受光して検出 最大1m程度 センサのみで構成でき、最も設置が簡単。検出対象の色・材質・表面状態で感度が変化する 小物ワーク検知、ラベル・マーク検知
距離設定型(BGS/FGS) 三角測距の原理で設定した距離範囲内の対象物を検出。BGSは背景、FGSは手前側の不要物の影響を抑える 数cm~数十cm程度 背景の影響を抑えた検出が可能 背景が近いワーク検出、コンベア上の小物ワーク検出、光沢体の検出

仕様から光電センサを絞り込む

光電センサの選定フロー(4ステップで絞り込む)

検出対象 → 検出距離・スペース → 設置環境 → 出力形式の順に決めれば機種が固まります。

  • 検出対象の材質・色・表面状態を確認する
    金属などの光沢面は、透過型や偏光フィルタ付き回帰反射型が安定しやすく、拡散反射型では鏡面反射により誤検出する場合があります。黒色・暗色樹脂は反射量が少ないため、透過型やレーザ型、感度余裕のある反射型を検討します。透明ガラス・透明フィルムは、透明体検出用の専用光電センサ(回帰反射型など)を候補にし、背景条件によって距離設定型や、光電センサで安定しない場合は超音波センサも検討します。
  • 検出距離とスペースで方式を選ぶ
    長距離(5~30m)は透過型が有利、片側配線で済ませたい場合は回帰反射型、距離が短くセンサ単体構成にしたい場合は、拡散反射型が適します。背景の影響を排除したい近距離検出は距離設定型を選びます。
  • 設置環境(IP保護等級・耐熱・耐薬品)を合わせる
    水や粉塵がある環境では、設置条件に応じたIP保護等級を確認します。IP67は一時的な水没条件に対する保護、IP68はメーカーが定める水深・時間条件での水没試験に適合する保護等級です。高圧・高温水洗浄を行う食品・飲料ラインなどではIP69K対応品等が候補になります。一般的な拡張温度範囲モデルで-25~-30℃~+70℃程度、機種によっては-40℃~+85℃対応品もあり、薬品環境はステンレス筐体・フッ素樹脂コーティング等、薬液・洗剤・蒸気・温度サイクルへの耐性は材質仕様やメーカーの使用条件を別途確認が必要です。
  • 出力形式をコントローラに合わせる
    出力形式は、接続するPLC(シーケンサ)の入力仕様に合わせて選定します。DC3線式の光電センサではNPN出力とPNP出力があり、NPN出力は一般にプラスコモン入力、PNP出力は一般にマイナスコモン入力のPLCと組み合わせます。国内はNPN出力、欧州・海外はPNP出力が主流ですが、選定時にはPLCの入力回路、コモン配線、電源電圧、負荷電流を確認してください。リレー出力やアナログ出力を使用する場合も、PLC側の入力モジュール仕様との整合が必要です。AC負荷の開閉や絶縁接点が必要な場合はリレー出力、検出距離・受光量を連続値で扱う場合はアナログ出力を選びます。

光電センサの種類:スポット型・ファイバー型・エリア型・色識別型・レーザ型

検出方式とは別に、光学系・光源・用途によって種類が分かれます。設置スペース・検出対象のサイズ・要求精度に応じて選びます。

スポット型(標準型)光電センサ

最も一般的な光電センサです。円形または長方形の光スポットを投光します。透過型・回帰反射型・拡散反射型すべてのタイプに対応し、汎用性が高いのが特長です。

ファイバー型光電センサ(ファイバーセンサ)

アンプユニットと光ファイバヘッドが分離したタイプです。ファイバヘッドが小型・軽量なため、スペースが限られた場所や耐熱・耐薬品仕様のファイバを選定すれば、高温・薬品雰囲気の場所にも対応できます。微小ワークの検出も可能です。ファイバーセンサは光電センサの一種であり、センサ本体はアンプユニット(投受光制御回路)です。

エリアセンサ(多光軸光電センサ)

エリアセンサは、多数の光軸を平行に並べ、2次元的な検出エリアを形成するセンサです。ワークの通過検出、高さ・幅の判別、部品の有無検出などに使用されます。
人体保護や機械安全を目的とする場合は、一般検出用のエリアセンサではなく、安全規格に適合したセーフティライトカーテンを選定する必要があります。

色識別型光電センサ

RGB(赤・緑・青)LEDを使って検出対象の色を識別します。ラベルの色違い検出、色マーキングによる製品種別判別などに活用されます。

レーザ型光電センサ

光源にレーザダイオードを使用し、スポット径を極めて細く(直径0.1~1mm程度)絞れます。長距離検出・高精度位置決め・細線や微小ワークの検出に適しています。安全クラス1・2・3Rが一般的(高出力品は3B以上に該当する場合もあり、取扱いに注意)。

超音波センサとの違い

透明体・液体など光を透過・吸収する対象の検出が難しい場合、超音波センサへの置き換えを検討します。超音波センサは音波を使うため、色・透明度・光沢に依存しない検出ができます。ただし応答速度は光電センサより遅い傾向があります。

光電センサの検出原理(補足:非接触検出と接触式との違い)

光電センサとは、発光素子(LED・レーザダイオード)から投光した光の変化を検出するセンサです。物体による光の遮断・反射で生じる光量変化を、受光素子(フォトトランジスタ・フォトダイオード)でとらえ、電気信号として出力します。検出対象に触れないため「非接触センサ」に分類されます。リミットスイッチなどの接触式センサは物体に直接接触するため、検出対象にダメージを与える可能性があります。光電センサは非接触で検出するため、応答速度・耐久性・小型対象の検出・高速カウントの面で優れています。

比較項目 光電センサ(非接触) リミットスイッチ(接触式)
検出対象へのダメージ なし(非接触) 接触圧がかかる
応答速度 高速応答に対応。機種により数十μs~数ms程度 機械動作を伴うため、数ms~数十ms程度
耐久性・寿命 動作部なし、長寿命 摩耗部品あり、定期交換が必要
小型対象の検出 可能(スポット径を調整) 困難(物理的接触が必要)
高速カウント 対応可能(kHz帯) 限界あり

よくある質問

光電センサが検出できない場合のチェックポイントは?

まず投受光部のレンズが汚れていないか確認します。次に投光器と受光器の光軸が正確に合っているか(透過型・回帰反射型)を確認します。検出距離が仕様の上限を超えていないか、配線のNPN/PNP設定がPLCの入力回路と一致しているかも確認します。改善しない場合はセンサの感度設定(ボリューム・ティーチング)を見直します。

反射型でガラス・透明フィルムを検出したい場合は?

透明体は光を透過するため一般的な拡散反射型では反射光が少なく検出できません。この場合、透明体検出用の専用光電センサ(回帰反射型など)を候補にします。光沢面や鏡面反射による誤検出を抑えたい場合は、センサの投光部・受光部に偏光フィルタを内蔵した偏光フィルタ付き回帰反射型(MSR機能付きなど)も有効です。

IP保護等級IP67とIP69/IP69Kの違いは?

IP67は、粉塵の侵入防止と、一時的な水没条件に対する保護を示します。一般には水深1m・30分間の水没試験として説明されます。IP69Kは、高圧・高温水噴射洗浄に対する保護等級で、試験条件の一例として約80℃の水を高圧で噴射する試験が用いられます。食品・飲料ラインなどスチーム洗浄が日常的に行われる環境ではIP69K対応品が候補になりますが、薬液、洗剤、蒸気、温度サイクルへの耐性はIP等級だけでは判断できません。使用する洗浄剤や温度条件に対して、筐体・パッキン・ケーブル材質が適合するかを確認してください。

関連ページ