光電センサは、光の遮断・反射による光量変化を受光素子で捉え、物体の有無を非接触で検出するセンサです。なお、機種によっては物体までの距離を測定できるタイプもあります。検出距離・検出対象・設置スペースが決まれば、下の比較表で方式の一次選定ができます。目的に応じて以下から進んでください。
このページの目次
- 光電センサの検出方式を比較:透過型・回帰反射型・拡散反射型・距離設定型
- 光電センサの選定フロー(4ステップで絞り込む)
- 光電センサの種類:スポット型・ファイバー型・エリア型・色識別型・レーザ型
- 光電センサの検出原理(補足:非接触検出と接触式との違い)
- よくある質問(FAQ)
光電センサの検出方式を比較:透過型・回帰反射型・拡散反射型・距離設定型
用途に対し、まずこの比較表で検出方式を絞り込みます。長距離・安定検出は透過型、片側配線で省スペースは回帰反射型、近距離でセンサ単体構成にしたい場合は拡散反射型、背景の影響を抑えたい場合は距離設定型が候補になります。透明体や光沢体は条件依存性が大きいため、透明体検出用の専用光電センサ(回帰反射型など)、偏光フィルタ付き回帰反射型(MSR機能付きなど)などの専用タイプを含めて選定し、実機で確認することが重要です。
| タイプ | 原理 | 検出距離の目安 | 特徴 | 適用例 |
|---|---|---|---|---|
| 透過型(光軸型) | 投光器と受光器を対向配置し、光ビームが遮断されたときに検出 | 最大30m程度 | 検出安定性が高く、微小物体の検出も可能。投光器・受光器の両方に配線・設置が必要 | ゲート通過検知、搬送ライン上のワーク検出 |
| 回帰反射型(ミラー反射型) | 投光・受光一体型ヘッド+反射板(リフレクタ)で光を折り返し、遮断を検出 | 最大10m程度 | 配線はセンサ側(片側)のみで済み、設置スペースを節約できる | 省スペース設置、パレット・大型ワーク検知 |
| 拡散反射型(直接反射型) | 投光・受光一体型ヘッドから投光し、検出対象からの乱反射光を受光して検出 | 最大1m程度 | センサのみで構成でき、最も設置が簡単。検出対象の色・材質・表面状態で感度が変化する | 小物ワーク検知、ラベル・マーク検知 |
| 距離設定型(BGS/FGS) | 三角測距の原理で設定した距離範囲内の対象物を検出。BGSは背景、FGSは手前側の不要物の影響を抑える | 数cm~数十cm程度 | 背景の影響を抑えた検出が可能 | 背景が近いワーク検出、コンベア上の小物ワーク検出、光沢体の検出 |
仕様から光電センサを絞り込む
光電センサの選定フロー(4ステップで絞り込む)
検出対象 → 検出距離・スペース → 設置環境 → 出力形式の順に決めれば機種が固まります。
- 検出対象の材質・色・表面状態を確認する
金属などの光沢面は、透過型や偏光フィルタ付き回帰反射型が安定しやすく、拡散反射型では鏡面反射により誤検出する場合があります。黒色・暗色樹脂は反射量が少ないため、透過型やレーザ型、感度余裕のある反射型を検討します。透明ガラス・透明フィルムは、透明体検出用の専用光電センサ(回帰反射型など)を候補にし、背景条件によって距離設定型や、光電センサで安定しない場合は超音波センサも検討します。 - 検出距離とスペースで方式を選ぶ
長距離(5~30m)は透過型が有利、片側配線で済ませたい場合は回帰反射型、距離が短くセンサ単体構成にしたい場合は、拡散反射型が適します。背景の影響を排除したい近距離検出は距離設定型を選びます。 - 設置環境(IP保護等級・耐熱・耐薬品)を合わせる
水や粉塵がある環境では、設置条件に応じたIP保護等級を確認します。IP67は一時的な水没条件に対する保護、IP68はメーカーが定める水深・時間条件での水没試験に適合する保護等級です。高圧・高温水洗浄を行う食品・飲料ラインなどではIP69K対応品等が候補になります。一般的な拡張温度範囲モデルで-25~-30℃~+70℃程度、機種によっては-40℃~+85℃対応品もあり、薬品環境はステンレス筐体・フッ素樹脂コーティング等、薬液・洗剤・蒸気・温度サイクルへの耐性は材質仕様やメーカーの使用条件を別途確認が必要です。 - 出力形式をコントローラに合わせる
出力形式は、接続するPLC(シーケンサ)の入力仕様に合わせて選定します。DC3線式の光電センサではNPN出力とPNP出力があり、NPN出力は一般にプラスコモン入力、PNP出力は一般にマイナスコモン入力のPLCと組み合わせます。国内はNPN出力、欧州・海外はPNP出力が主流ですが、選定時にはPLCの入力回路、コモン配線、電源電圧、負荷電流を確認してください。リレー出力やアナログ出力を使用する場合も、PLC側の入力モジュール仕様との整合が必要です。AC負荷の開閉や絶縁接点が必要な場合はリレー出力、検出距離・受光量を連続値で扱う場合はアナログ出力を選びます。
光電センサの種類:スポット型・ファイバー型・エリア型・色識別型・レーザ型
検出方式とは別に、光学系・光源・用途によって種類が分かれます。設置スペース・検出対象のサイズ・要求精度に応じて選びます。
スポット型(標準型)光電センサ
最も一般的な光電センサです。円形または長方形の光スポットを投光します。透過型・回帰反射型・拡散反射型すべてのタイプに対応し、汎用性が高いのが特長です。
ファイバー型光電センサ(ファイバーセンサ)
アンプユニットと光ファイバヘッドが分離したタイプです。ファイバヘッドが小型・軽量なため、スペースが限られた場所や耐熱・耐薬品仕様のファイバを選定すれば、高温・薬品雰囲気の場所にも対応できます。微小ワークの検出も可能です。ファイバーセンサは光電センサの一種であり、センサ本体はアンプユニット(投受光制御回路)です。
エリアセンサ(多光軸光電センサ)
エリアセンサは、多数の光軸を平行に並べ、2次元的な検出エリアを形成するセンサです。ワークの通過検出、高さ・幅の判別、部品の有無検出などに使用されます。
人体保護や機械安全を目的とする場合は、一般検出用のエリアセンサではなく、安全規格に適合したセーフティライトカーテンを選定する必要があります。
色識別型光電センサ
RGB(赤・緑・青)LEDを使って検出対象の色を識別します。ラベルの色違い検出、色マーキングによる製品種別判別などに活用されます。
レーザ型光電センサ
光源にレーザダイオードを使用し、スポット径を極めて細く(直径0.1~1mm程度)絞れます。長距離検出・高精度位置決め・細線や微小ワークの検出に適しています。安全クラス1・2・3Rが一般的(高出力品は3B以上に該当する場合もあり、取扱いに注意)。
超音波センサとの違い
透明体・液体など光を透過・吸収する対象の検出が難しい場合、超音波センサへの置き換えを検討します。超音波センサは音波を使うため、色・透明度・光沢に依存しない検出ができます。ただし応答速度は光電センサより遅い傾向があります。
光電センサの検出原理(補足:非接触検出と接触式との違い)
光電センサとは、発光素子(LED・レーザダイオード)から投光した光の変化を検出するセンサです。物体による光の遮断・反射で生じる光量変化を、受光素子(フォトトランジスタ・フォトダイオード)でとらえ、電気信号として出力します。検出対象に触れないため「非接触センサ」に分類されます。リミットスイッチなどの接触式センサは物体に直接接触するため、検出対象にダメージを与える可能性があります。光電センサは非接触で検出するため、応答速度・耐久性・小型対象の検出・高速カウントの面で優れています。
| 比較項目 | 光電センサ(非接触) | リミットスイッチ(接触式) |
|---|---|---|
| 検出対象へのダメージ | なし(非接触) | 接触圧がかかる |
| 応答速度 | 高速応答に対応。機種により数十μs~数ms程度 | 機械動作を伴うため、数ms~数十ms程度 |
| 耐久性・寿命 | 動作部なし、長寿命 | 摩耗部品あり、定期交換が必要 |
| 小型対象の検出 | 可能(スポット径を調整) | 困難(物理的接触が必要) |
| 高速カウント | 対応可能(kHz帯) | 限界あり |