画像センサ(ビジョンシステム)は、カメラで取り込んだ画像を処理し、形状・位置・文字・キズを判定するセンサです。ここでの『画像センサ』は、カメラの撮像素子(イメージセンサ)単体ではなく、FA向けの画像処理システムを指します。検査目的・視野・分解能・撮像方式・照明・インターフェースが決まれば、下の比較表で候補機種を絞り込めます。目的に応じて以下から進んでください。
このページの目次
- 画像センサの種類を比較:スマートカメラ・PCベース・コードリーダ・OCR・3D
- 画像センサと単点型センサ(光電・近接)の違い
- 画像センサの選定フロー(チェックして絞り込む)
- 画像センサの仕組み(補足:撮像・照明・画像処理)
- よくある質問(FAQ)
画像センサの種類を比較:スマートカメラ・PCベース・コードリーダ・OCR・3D
用途に対し、まずこの比較表で方式を絞り込みます。一般的には、単一工程や省スペース用途はスマートカメラ、複数カメラ構成や高度な処理が必要な場合はPCベース、高さ・段差・凹凸などの形状計測は3Dビジョンを起点に検討します。
| 種類 | 構成 | 主な検査 | 特徴 | 向く用途 |
|---|---|---|---|---|
| スマートカメラ(一体型) | カメラと画像処理部が一体 | 有無・位置・簡易外観 | 省スペース・短工期で導入しやすい | 単一工程の検査・後付け |
| PCベース(画像処理装置+カメラ) | 画像処理装置とカメラを分離。複数カメラ構成にも対応しやすい | 外観・寸法・位置決め全般 | 拡張性・処理能力を確保しやすい | 多点検査・ライン 統合 |
| コードリーダ(1D/2Dコード) | 読み取り特化のカメラ | バーコード・QRコード・DataMatrix | トレーサビリティ向け | 個体識別・物流仕分け |
| OCR/文字検査 | カメラ+文字認識処理 | 印字・刻印の読み取り・照合 | 印字検査・有無判定に強い | ラベル・ロット印字検査 |
| 3Dビジョン | ステレオ・パターン投影など | 高さ・体積・3D形状 | 段差・凹凸を立体で取得 | 3Dピッキング・形状検査 |
画像センサと単点型センサ(光電・近接)の違い
画像センサが画像から形状・位置・文字などの面情報を判定するのに対し、一般的な単点型の光電センサ・近接センサは1点のON/OFFを検出する点で役割が異なります。「あり/なし」を見るのか「形・位置・文字・キズ」を見るのかで使い分けます。
| センサ種別 | 検出の仕方 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 近接センサ・光電センサ | 単点または限定範囲の有無・通過を検出 | 有無検出・位置確認・通過検出 |
| 画像センサ(ビジョン) | 画像処理による面の判定 | 外観検査・位置決め・文字読み取り・寸法 |
画像センサの選定フロー(チェックして絞り込む)
検査目的 → 視野・分解能 → 撮像方式(モノクロ/カラー・2D/3D) → 照明 → インターフェースの順に整理すると、候補機種を絞り込みやすくなります。
- 検査目的を決める
外観検査(キズ・異物)、寸法測定、位置決め、文字読み取り(OCR)・コード読み取り(コードリーダ)、3D形状のいずれかを明確にします。目的によって必要なカメラ・処理・照明が変わります。 - 視野と分解能を見積もる
検出したい最小欠陥のサイズと視野の広さから、必要な画素数を見積もります。視野が広いほど、同じ画素数では1画素あたりの分解能が低下します。 - 撮像方式を選ぶ
色の判別が必要ならカラー、輝度コントラストで足りるならモノクロを選びます。高さ・段差・凹凸を測るなら3Dビジョンを検討します。 - 照明を決める
対象の素材・形状・検出したい特徴に合わせ、リング・バー・同軸・ドーム・ローアングルなどの照明方式と波長を選びます。照明設計は、安定した検査をするうえで重要な要素です。 - インターフェースと処理構成を合わせる
カメラ接続方式(GigE Vision、USBなど)やPLC・PC・ロボットなど上位機器との通信方式(産業用ネットワーク、I/Oなど)を確認します。あわせて、スマートカメラかPCベースかを、検査点数と拡張余地で選びます。
画像センサの仕組み(補足:撮像・照明・画像処理)
画像センサは、照明で対象を照らし、レンズを通してカメラ(撮像素子)で画像を取り込み、画像処理によって特徴を抽出して判定します。安定した判定には、検出したい特徴を際立たせる照明とレンズの設計が前提になります。
撮像(カメラ・レンズ)
撮像素子で対象を画像として取り込みます。必要な分解能は、検出したい最小特徴のサイズと視野の広さから決まり、視野とレンズの組み合わせで撮像範囲が定まります。
照明
検出したい特徴(キズ・印字・段差など)を背景から分離するために照明を選びます。リング・バー・同軸・ドーム・ローアングルなどの方式や波長を、対象の素材と形状に合わせます。
画像処理・判定
取り込んだ画像から、位置・形状・文字・欠陥などの特徴を抽出し、基準画像や許容範囲と照合してGO/NGを判定します。PCベースではPCまたは画像処理装置側で処理します。