以下では、改良技術を用いた自動化機器の大型化対応設計について解説した。

(1)大型XYテーブルの要求性能

・高精度XYテーブルは、通常の自動化機器用として複数の市販品があるため、生産技術的には確立された技術といえる。この事例の場合、大型(長ストローク)で高速駆動と高精度加工を実現するため市販品以外に次のような要求性能を必要とし、この理由で開発を進めている。

 *大型で軽量可動体が可能な構造
 *長時間の環境変動(温度変動、振動など)に鈍感な素材特性
 *高精度加工が可能な素材と構造体

・このため、鉄系素材の市販XYテーブルを採用せず、グラナイト石材を用いて独自開発とした。

(2)大型XYテーブル設計の勘所

自動化機器設計者は、大型化対応について次項目に沿った設計プロセスを採用することが好ましい。

<大型化対応設計の勘所>

  1. 経時変化が小さく、熱変位や振動の影響を受けにくい構造用素材を選定する。
    解説:グラナイト石材は精密計測用定盤(図1)に採用される素材で上記(1)の特性を有す。
  2. 高剛性な構造設計(自重によるたわみの極小化対応)
  3. 組付け時の精度が出しやすい基準を持つ構造設計
    解説:グラナイト石材を高精度に研磨加工し平坦精度や直角/平行精度も超精密に加工。
    図2は1.4m長さの直線案内レールの断面形状精度で、底面組付基準面と上面の平行度:0.003、側面組付基準面とレール側面の平行度:0.008が部品精度である。
  4. 大型化対応ができる安価な標準部品類の採用

【図1】3次元形状測定器のグラナイト定盤

【図2】大型テーブルの直線案内用レール