人には機械にない以下の特性があります。LCA(ローコストオートメーション)の設計に活かすと効率化が得られます。
(1)人の特性
(1)学習
機械システムでもコンピュータシステムのように情報(データー)とプログラムを与えれば、一定のルールに従い動作やデーターの貯蔵・記録、指示などが可能ですが、人間は過去の経験を基に自分の行動を変えることができます。機械システムをはるかに上回る能力です。
■学習パターンの例
1. | 一つの行動(技術習得、作業習得)を繰り返し練習する。 例:*キーボードのブラインドタッチ操作 *半田付け作業などの習熟 |
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2. | 試行錯誤により対面している課題の解法を選択してゆく。 例:*ジグソーパズル *異形部品の挿入組立 |
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3. | 以前の経験に基づく学習効果 例:*手動機械で訓練した人は簡単な説明により自動機械の操作が可能 |
(2)訓練の伝達
訓練のパターンを類似化させることで、過去の学習効果が活かされ効率化が得られる。この特性を利用して、操作動作を類似に設計することがLCA設計のポイントです。
■訓練の正の伝達
現在の学習が過去の経験に類似したパターンの場合は覚えが早い。
■訓練の負の伝達
同上が過去の経験と異なる(または反対)パターンの場合、効率低下や事故につながりやすい。
(3)動機づけ
動機づけにより上に挙げた特性は向上しましが、精神的疲労や不安につながる場合もあります。改善の主体を作業者と位置づけるアプローチは、この動機づけ効果によるものです。