(3)金属含有排水の分別処理
通常、表面処理工場の金属含有排水は、酸系排水とかアルカリ系排水とかに分別して、総合排水処理装置に導き、pH調整によって中和処理されますが、ここで発生するスラッジには各種の金属類が混在して、金属資源としての価値は殆どありません。
その理由は、このような混合スラッジからの金属の精錬は、お金がかかって経済的に採算がとれないからです。
そこで考えられたのがニッケル系とか、銅系とか、単一金属排出源別に分別して、それぞれ別個に中和処理を行う分別処理です。
このようにして出来た沈降スラッジを濾過して乾燥すれば、不純物が少なくて、金属含有率の高いスラッジが得られます。これを精錬会社に戻すことによって、有用金属の山元還元(リサイクル)が可能になります。
具体例を示しますと、例えばニッケル系の排水は、苛性ソーダで中和すると、次式のように水酸化ニッケルのスラッジが生成します。
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これを濾過、脱水した後、乾燥して減量し、ニッケル精錬会社に引き取ってもらいます
スラッジ乾燥機を【図1】に、乾燥したスラッジを【図2】に示します。回収対象となっている金属は、金・銀などの高価な金属は勿論のこと(水酸化物とは限らない)、亜鉛、銅、ニッケルなどです。