(2)めっき回収液の電解還元による金属回収
回収液を濃縮すると分解する恐れのある不安定なめっき液や、不純物除去が困難で、めっき槽に戻すことができない回収液は、特別に用意された電解槽に導いて直流電解を行い、めっきと同様の原理で陰極に金属を還元させ、純度の高い金属を回収できます。
また、プリント配線板や金属のエッチング液など金属を溶解する液は、使用につれて金属イオン濃度は高まり、エッチング速度は低下します。これらの液も浴管理のために、過剰の金属を電解で還元除去することによってエッチング条件が管理できると同時に金属回収が可能です。【図1】に金属回収用電解装置の一例を示しました。
この装置は、陽極に白金などの不溶性陽極(白金めっきしたものが多い)、陰極にはステンレス板を用いて、直流電解を行い、陰極面に金属を析出させます。 電解の効率を高めるために、電解液はポンプで電解室内の狭い電極間を強制循環して還元速度を高めます。この方法で回収したニッケルインゴットの例を【図2】に示しました。
金属イオン濃度の低い回収液は、金属還元の効率が低下しますので、【図3】に示すような真空式の蒸発装置を使って、濃縮してから電解還元します。