あるメーカーの表面処理鋼板の商品シリーズを紹介しましょう。
(1)ブリキ:電気錫めっき鋼板(Sn)
ブリキは、表面が錫めっきの美しい光沢で覆われ、優れた耐食性、はんだ付け性、溶接性をおり、このために食缶、飲料缶、ビール缶、美術缶などさまざまな用途で使用されています。 |
(2)ハイトップ:ティンフリースチール(クロムめっき鋼板)(略称:ECCS又はTFS)(Cr)
錫なし鋼板として、電解クロム酸処理することにより、冷圧延鋼板上に均一な金属クロムとクロム水酸化物の薄い皮膜を形成させたものです。耐食性、塗装性に優れ、缶用材料のほか、印刷用製版材、塗装下地処理鋼板として、王冠、ホワイトキャップ、美術缶などに使われています。 |
(3)ハイペット:ラミネート鋼板(TFS,AL)
より安全な食品容器材料として開発された、ラミネート鋼板です。耐熱性、バリアー性、加工性、衛生性に優れたポリエステル系フィルムでラミネートしてあります。塗装工程、洗浄工程が省略できるなど、地球にやさしい缶として注目を集めています。
(4)シルバートップ:複合亜鉛めっき鋼板(Zn/Co/Mo)
亜鉛を主成分として、コバルト、モリブデンを含む複合亜鉛めっき鋼板です。美麗な外観のほか、耐食性、加工性、塗装性に優れているため、自動車、家電、通信機器、OA機器などに多用されています。 |
(5)ビニトッブ:高級化粧鋼板
塩化ビニール樹脂を成膜したビニトップ、PETと着色層の複合フィルムをラミネートしたファイントップ1、2(PET鋼板)、オレフィン系樹脂を成膜したファイントップ3(オレフィン鋼板)、特殊ポリエステルフィルムをコートしたファイントップ5,6(Eシート鋼板)、アクリル鋼板、カラートップなどがあります。
(6)ニッケルトップ:ニッケルめっき鋼板(Ni)
高度な圧延技術と表面処理技術を駆使して開発されたニッケルめっき鋼板で、優れた外観、耐食性、成形加工性、スポット溶接性などが、乾電池、ブラウン管インナー、自動車部品パイプ、電気部品、文具などに用いられています。 |
(7)トップ:冷延鋼板
美しい表面、高度の深絞り性、厚みと材質の均一性を特徴とする冷間圧延鋼板、磨帯鋼で、シャドーマスクなどミクロン単位の精度を誇っています。
※ | 出典:東洋鋼鈑(株)カタログ |