亜鉛めっきにより鉄の防食性はかなり高められていますが、更に塗装を施すことにより耐食性は大幅に向上し、美観も改善されます。
塗装鋼板はプレコート鋼板(成形してから塗装するポストコートに対して、成形前に塗装するプレコート)ともいわれ、従来溶融亜鉛めっき鋼板をベースにつくられてきましたが、最近では、電気亜鉛めっき、合金亜鉛めっき鋼板にも採用され、塗布材の種類も多様化しております。
塗装による表面処理鋼板を【表1】に示します。
【表1】塗装による表面処理鋼板
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表中、塗装鋼板の塗膜を示す有機皮膜には、ポリエステル、アクリル、塩化ビニール、シリコンポリエステル、ウレタン、フッ素系などの樹脂が用いられています。
ジンクリッジ塗膜とは、亜鉛の微粒子を分散させた高分子エポキシ系の有機皮膜で、耐食性は良好です。しかし、これは加工性や溶接性に難があるため、有機複合めっき鋼板が開発されました。
有機複合めっき皮膜は、電気Zn-Ni合金めっき鋼板にクロメート層を介してアクリル樹脂、エポキシ樹脂にシリカゾルを複合塗布して、膜厚を1μm程度とし、成形性、溶接性を向上させたものであります。