表面処理鋼板には多く種類がありますが、製造方法で分類すると、溶融めっき、電気めっき、塗装、及びこれらの組み合わせなどがあります。以下順に説明しましょう。
溶融めっきによる表面処理鋼板の種類、特徴、用途などを【表1】に示します。
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鋼板の種類
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皮膜構成
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めっき
付着量 (g/m2) |
特徴
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主な用途
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| 溶融亜鉛めっき鋼板 | Zn/ 鋼板 |
60～300 | 耐食性 | 自動車内外板、石油ストーブタンク、カラー鉄板の原板、建材、コンテナ、ドラム缶など |
| 合金化溶融亜鉛めっき鋼板 | Zn-Fe合金/ 鋼板 |
30～90 | 塗装後耐食性溶接性 | 洗濯機冷蔵庫などの内部塗装材、サッシュ、ドア、シャッター、自動車内外材 |
| 1&1/ 2タイプ溶融亜鉛めっき鋼板 |
Zn-Fe合金/ 鋼板/ Zn |
30～90 90～150 |
塗装後耐食性 溶接性 |
自動車内外板、自販機、ショーケース |
| 溶融亜鉛アルミ合金めっき鋼板 | Zn-Al(55%) 又は Zn-Al(5%)/ 鋼板 |
60～200 | 耐候性 耐熱性 |
自動車排気系部品、ダクト、サイジング材、コンテナー、トースター |
| 2層形合金化溶融亜鉛めっき鋼板 | Fe-Zn合金 又は Fe-P/ Zn-Fe合金/ 鋼板 |
3～6 20～60 |
プレス加工性 塗装後耐食性 溶接性 |
自動車内外板 |
| 溶融アルミ めっき鋼板 |
Al/ 鋼板 |
20～75 | 耐候性耐熱性 | 石油ストーブ、トースター、自動車排気系部品 |
| 溶融ターン めっき鋼板 |
Pb-Sn合金/ 鋼板 |
40～75 | 裸耐食性 はんだ付け性 |
燃料タンク、ラジェーター部品、シャーシー、シールドケースなど音響部品 |
これらのうち、溶融亜鉛めっき鋼板が生産量の80％以上を占めていますが、めっきのまま使用されるものは少なく、塗装後使用されます。塗装しないで使用するものは、めっき後白錆防止のためにクロメート処理が行なわれていましたが、クロームフリーのグリーン調達に対応した防錆処理が行なわれるようになり、クロムは使用されなくなりました。
【表1】から明らかなように、溶融アルミめっき鋼板や合金化アルミめっき鋼板は、耐熱性が要求される部品等に使われています。