(2)溶融めっき工程
前処理を終了した製品は、460℃前後に溶解した亜鉛浴中に浸漬し、適当な時間を経たのち、浴面に浮遊している亜鉛酸化物を除去したきれいな溶融亜鉛面から引き上げます。過剰に付着した溶融亜鉛は、軽い衝撃を与えて「たれ切り」をした後、冷却されます。
めっき皮膜は上の断面写真に示すように、溶融亜鉛と鉄鋼の反応によって形成される合金層と、その上の亜鉛層から構成されている。合金層の厚さとその組成は、鋼材の化学組成、作業条件によって決まり、最上層の亜鉛層の厚みは、浴温度、めっき浴から引き上げる速度などによって決まります。
(1)めっき温度
ほとんどの場合440〜470℃でありますが、ボルトなど特殊なものはそれ以上の温度でめっきすることもあります。めっき温度は、製品をめっき浴から引き上げるときの亜鉛の「たれ切れ」に支障をきたさない程度にできるだけ低温に保つことが望ましいのです。
浴温度が高すぎると、亜鉛の反応性が活発になるため、酸化亜鉛の発生が多くなり、めっき浴の寿命を縮めます。また亜鉛の流動性がよくなりますが合金層の組織が粗くなり、表面が平滑でなくなります。浴温が低すぎると、過剰に厚い不均一な皮膜になります。
(2)浸漬時間
一般に浸漬時間を長くすれば亜鉛の付着量は増大します。一般鋼材、高張力鋼などの付着量の状態は【図1】に示すとおりです。