さきに「陽極酸化皮膜の自然発色」で、アルミニウム合金、電解浴、電源波形などの組み合わせによって、それぞれ異なった色彩を発色することをお話しました。
ここでは最初に陽極酸化処理を行なった後、もう一度電解して着色する方法を説明しましょう。この方法は、2回電解することから「2次電解着色法」ともいわれています。
一般に、最初の酸化皮膜形成には、硫酸浴が使われます。それは、皮膜が銀白色であること、低コストであるからです。 次の電解着色浴には、Ni、Sn、Cu、Agなどの水溶液が使われ、色調は金属によって異なります。 電解着色の原理は、酸化皮膜の微細孔(ポアー)の中に金属やその酸化物を電気化学的(電気めっきと同じように)に析出させて着色させます。色調は、析出量の多寡によって、淡色から濃色へと変化します。 |
我が国における電解着色の最大の需要先は建材関係で、サッシュ、玄関ドアー、屋根回り、フェンスなど街を歩けば必ず目に入るでしょう。
通常、色はブロンズ調が主流で、耐食性を高めるために着色後、透明な電気泳動塗装が施されています。