陽極酸化皮膜は、アルミニウム合金・電解浴・電源波形等電解条件によって、皮膜そのものが独特の色調に発色します。【表1】【表2】は直流波形による電解発色ですが、これらの色調は皮膜厚さによって、更に変化します。皮膜が厚くなれば通常色は濃くなります。
【表1】陽極酸化皮膜の自然発色(展伸材)
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【表2】陽極酸化皮膜の自然発色(鋳物・ダイキャスト)
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従って、陽極酸化皮膜による商品設計をする場合、次の注意が必要です。
1. | アルミニウム合金材料を選択する場合、アルマイト処理によって所望の色調が得られるかどうかを確認する。 | |
2. | 加工上あるいは強度の関係から、使用するアルミニウム合金がある種のものに限定される場合で、しかもその合金の陽極酸化皮膜が独特の色調を持っている場合は、染色または、電解着色等で希望の色に着色する。 | |
3. | ある特定の合金に硬質アルマイトなど厚膜の酸化皮膜を形成する場合のように、濃色の色調が発色する場合は、耐磨耗性等の機能確保の立場から変色不可能なことを納入先に納得してもらう。 |