アルマイト皮膜の断面の模式図を【図1】に示します。
(1)バリアー層
電解初期にできる導電性の皮膜で、その上に成長する多孔質皮膜の成長を支えます。すなわち、バリアー層底部のアルミニウムが電解によって溶解し発生した酸素との反応で多孔質皮膜が生成される場所です。多孔質皮膜の成長に伴い、バリアー層の底部は下へ下へと移動しますがバリアー層の厚さは変りません。厚さは大体20nm程度です。
(1)多孔質層
アルマイト皮膜は、この多孔質層(ポーラス層)の集合体です。上部から見ると真中に微細孔(ポアー)を有する六角形の皮膜セルの集まったものです。電解条件によって異なりますが、セルの直径は100〜300nm、微細孔の直径は10〜20nmです。
染色アルマイトは、この微細孔の上部に染料を入れたものであり、電解着色アルマイトは、微細孔の底部に金属や金属の酸化物などをいれて着色したものです。