電子機器・通信機器などになくてはならないプリント配線板は、その情報処理能力の増大につれて、電子部品の高密度実装が求められ、その結果、プリント配線板を何枚も重ねて回路を多層化(三次元化)する多層基板が多用されるようになりました。そこで問題になるのは、LSIによって発生する熱をどのようにして放散するかという問題です。
プラスチックという熱伝導の悪いプリント基板の上に銅めっき皮膜による電気回路を作製すれば、もともと銅は電気や熱の良導体ですから、この問題の解決にはもってこいです。
そればかりでなく電気めっき銅皮膜は、熱膨張するプラスチックス基板の変形を抑える役目も果たします。また、多層プリント基板は、各基板間を電気的に結合しないと意味がありません。そのために通常スルホールめっき(微小な穴の中をめっきして回路をつくる)が行なわれます。
この場合、スルホールめっきの信頼性の要求は絶対で基板の生命を左右します。
スルホールめっきにおける銅めっき皮膜に対する要求は、次のようなものです。
1. | 均一電着性が良好なこと(めっき厚さが均一であること) | |
2. | めっき層の伸び率と引っ張り強さが良好なこと | |
3. | 保存性が良好なこと(銅の上に他のめっきをしない場合) | |
4. | はんだ付け性が良好なこと | |
5. | 耐擦傷性が良好なこと |