(2)濃厚廃液
重金属を含有する廃酸・廃アルカリなどの有害物質を含まない濃厚廃液は、少量であれば排水処理の処理用薬液として使えますが、酸洗い液やエッチング液など大量に発生するものは、産業廃棄物業者に処理・処分を依頼しているのが現状です。
【図1】に総合排水処理のフローシートを示します。
図1.金属イオンの溶解度とpHの関係
- 1) 金属鍍金鉱業組合連合会「めっき工場排水の処理と管理」(1985.8)より引用
業者委託の別途処理
現在、産業廃棄物処理業者に委託して無害化処理、あるいは再資源化処理を行っているものに、次のようなものがあります。
1. | 濃厚シアン廃液:更新めっき液、シアン系前処理液などのうち、金属濃度の高いものは電解酸化法などでシアンの電気分解と金属回収が同時に行えます。低濃度のものは、加水分解でシアンを無害化処理しています。 | |
2. | クロム系廃液:クロムめっき液、クロム系エッチング液、クロメート液などは、収集運搬業者の手を経てクロム酸メーカーに渡り、クロム金属やクロム薬品に再生されます。 | |
3. | 酸アルカリ廃液:上記2種類のほか他の有害を含有しない酸系・アルカリ系廃液は、産廃業者の手で、他の業界、例えば製紙業界などの排水処理用薬品として使用されているようです。 | |
4. | 有価物含有廃液:金銀をはじめ有用金属含有廃液は、精錬メーカーが回収しています。 |