曲げ加工では(【図1】参照)、曲げ線部分の割れが問題となります。バリ面と曲げとの関係から考えると、バリが曲げの内側となるようにすることが1つありますが、曲げ線と被加工材の圧延方向の関係に注意することも必要です。
【図2】のレイアウトは、金型の作りやすさを優先したものですが、曲げ線と被加工材の圧延方向が平行な関係となっています。この状態は曲げ部が最も弱くなります。曲げ半径が小さいときには危険なレイアウトとなる可能性があります。
【図3】は、曲げ部の強度を考慮したレイアウトです。曲げ線と被加工材の圧延方向の関係が直角の関係になっています。曲げ部が最も強い形になります。金型の作りは少し難しくなります。
以上の2つは、被加工材の圧延方向と曲げ部の関係を説明するためのものですが、実際の製品はもっと複雑でいろいろなところに曲げがあったりします。このような曲げ製品では、平行と直角の中間の関係、たとえば45度の角度で被加工材の圧延方向と曲げ線とすることで、複数個所の曲げ部の強度のバランスを取ることがあります。このようにすると、金型製作はさらに難しくなります。