金型を構成する部品の組み付け方によって、金型の組立・分解作業が変化します。
【図1】は配慮のない金型部品の組み付け例です。3本のパンチがありますが、それぞれ固定方法が違います。
(a)のパンチを外すためには、止めねじ、ダウエルピンを外して、金型を分解しなければ外すことができません。
(b)のパンチでは、ストリッパボルトを外してからストリッパプレートを外し、上型を反転して、パンチ止めねじを外してパンチを取り外しします。
(c)のパンチは、ストリッパボルト、ストリッパプレートを外して、上型を反転することなくパンチを外すことができます。
このように、1つの金型の中にいろいろな固定方法が存在すると、作業が混乱してトラブルを起こすことがあります。
金型の性質を考慮して、組立・分解の方法統一した考え方で金型設計するとよいです。
【図2】は、パンチホルダー側よりパンチを固定するようにした構造です。ワイヤーカット放電加工でパンチを加工する金型等でよく見られるパンチ取り付け方です。つば付きの丸パンチは、取り外しを考慮した組み付けにします。
【図3】はストリッパ側からパンチの組み付け、取り外しができるようにした構造です。パンチ材質を超硬合金としたとき、キー止めとすることが多くなり、このような構造となることが多いです。
パンチの取り付け方法と関連する部品として、ストリッパボルトがあります。ストリッパボルトもパンチの取り付け方法とあわせておくとよいです。【図3】のストリッパボルト(内ねじ式)は、ボルトの脱落が怖いから使いたくないという人がいますが、ボルトの締め忘れでゆるんでいない限り問題ないように思います。ボルトのゆるみ止めも進んでいますから、そのようなものを活用して、より一層の安心を得ることもよいでしょう。