【図1】を見て下さい。ダイの上に被加工材(材料)があります。材料はダイの上に配置された各加工ステージをふらつくことなく、滑らかに移動する必要があります。そのための案内(ストックガイド)が必要です。ストックガイドは材料幅を案内しますが、材料の横曲がり(キャンバ)や切断幅公差を考慮して、滑らかに動くガイド幅を設定します。ゆるすぎると不安定になりますが、さらに細かな位置調整は、パイロットにゆだねることを前提に決めます。
材料を金型に最初に入れるときのことを想定して、作業のしやすいように工夫します。ストックガイドを金型の前部分を長くのばしたり、材料受け板を付けておくと言った内容です。
材料が通過する部分に角部があると引っかかり、材料移動を妨げる心配があります。このような角部はR付けかC面取りをして、問題が起きないように設計します。
ストリッパはストリッピング力(かす取り力:抜き力のおおよそ5%)を考慮して、ストリッピング時に反ったりしない厚さとします。パンチの通過する穴は、通常、パンチ先端をガイドしないで大きくしておきます。異形パンチが通過する穴では、角逃がしを付けたりして、穴とパンチの干渉がないようにします。
ストリッパはストックガイドの上に固定します。その状態を示したものが【図2】です。このような形を固定ストリッパ構造といいます。トンネル状の穴部分を材料が通過することから、トンネルガイドと呼ぶこともあります。
材料のうねりを考慮して、トンネルの高さは決めます。高く取りすぎると材料がうねりパンチ破損の原因を作ります。
小さな金型では、ストックガイドとストリッパを別に作らずに、1枚のプレートから削りだして一体で作ることも多いです。
この構造の欠点は、ストリッパでダイ面が蓋をされ見えないことです。