繰り返しの話になりますが、プレス加工に用いる金型ではパンチ、ダイが重要な部品となります。
順送り加工では【図1】に示すストリップレイアウトを作りますが、ストリップレイアウトには2つの意味があります。
1つは「問題なく製品形状が加工でき、品質的にも問題ないように工夫され製品が加工できること」最も大事な部分です。
もう1つは「金型構造設計が考えられていて、パンチ、ダイ等を配置したときに強度的に弱い部分が無いように工夫されていること」です。
順送り金型でストリップレイアウトが決まれば、金型の60〜70%が完成したも同然と言われるのはこの辺にあります。
【図2】は、パンチとダイの関係をイメージしたものです。ストリップレイアウトを設計するときには、設計者はこのような金型イメージを頭に描きながら作業をしています。
例えば、パンチは段付きにすべきか、そのとき、近接したパンチが干渉することはないか。ある場合には、対策をどうするかといったこと、サイドカットパンチのように片側しか切らないパンチのバックアップとして、バックアップヒールの大きさを考慮してパンチサイズを決めておく。
ダイについては、一体式にすべきかインサート式にすべきかといった内容についても当然考えています。
さらに、パイロットの配置やリフターといった内容にも配慮しておきます。
基本となるパンチ、ダイの関係を決め、それに対して付属部品をどうするかを決めていきます。
ストリップレイアウトは製品加工の方法を決めるだけのものではなく、金型構造設計をもイメージして作られていることを認識して下さい。