Question
スティック砥石で研磨する際に研削液は必要ですか?
スティック砥石を使用して仕上げ研磨を行います。湿式研磨と乾式研磨のどちらが良いのでしょうか?
Answer
粗仕上工程では研削液を用いる湿式研磨が多い
スティック砥石は、主として金型の粗仕上用に作られた砥石です。金型の粗仕上は、取り代を大きく取る“研削”に近い工程ですので、研磨屑が多く生じ、これを除去しながら作業する必要があります。
研磨屑の除去には、エアーで飛ばす方法(乾式)と研削液を用いて研削屑を浮かび上がらせる方法(湿式)がありますが、湿式を採用するケースが大半です。
乾式研磨のリスクとして、研磨屑自体がワークを傷つけたり、目詰まりを起こして粗仕上工程に要求される加工面精度を実現できない恐れがあるという点が指摘されます。また、湿式研磨の方が研磨力が強く研磨熱を抑えることもできることから、粗仕上工程としては湿式研磨を採用することが多くなります。
湿式研磨では研削液の拭き取りが肝心
湿式研磨では研削液を使用するため、これをきちんと拭き取らなければ、ワーク表面に残った研削液が変色することがあります。粗仕上の後すぐに中仕上工程に移る場合は、必ずしもすぐに拭き取る必要はありませんが、中仕上工程に入るまでに2~3日空く場合には、きちんと拭き取った上で防錆剤を塗布する必要があります。
スティック砥石自体にも向き不向きがある
湿式研磨を採用するケースが多いものの、ワークが大きい場合や残留研削液の変色が気になる場合には乾式研磨が採用されます。但し、スティック砥石自体に乾式研磨に対する適性がありますので、ご注意ください。
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商品名 | 型番 | 色 | 湿式 | 乾式 | 粒度 | 特長 |
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スティック砥石 平形 一般金型用/仕上タイプ 単品 WA砥粒 | SPSC | ○ | × | #120~#1000 | WA砥石に硫黄を含浸させた砥石です。研削性がよく、仕上り面がきれいです。また、軽研削に優れています。 | |
スティック砥石 平形 一般金型用/ 中仕上タイプ 単品 |
KKSC | ○ | ○ | #120~#1000 | WA砥石に特殊樹脂を含浸させた砥石です。湿式、乾式を問わず使用可能です。特にSKD、SKH材研削及び曲面加工に優れています。中仕上~仕上に最適です。 | |
スティック砥石 平形 放電加工後磨き用/ ソフトタイプ 単品 |
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EDSC | ○ | × | #120~#1000 | WA砥石に高機能樹脂を含浸させた砥石です。機械加工後、放電加工面(硬化層)関係の粗仕上~中仕上に優れています。RPSCに比べ耐摩耗性に優れています。 | |
スティック砥石 平形 粗仕上タイプ エアー・電動グラインダー用 単品 | HGSC | ○ | ○ | #150~#1000 | WA砥粒に樹脂を含浸させた砥石です。乾式使用でも目詰まりせず、ワークに油が付着していても優れた研削力を発揮し、作業時間の短縮に貢献します。 | |
スティック砥石 平形 粗仕上タイプ 手作業用 単品 PA砥粒 | RFSC | ○ | ○ | #80~#220 | PA砥粒を使用した砥石です。湿式、乾式で粗仕上加工に優れ、研削性、耐摩耗性に優れています。 | |
スティック砥石 平形 粗仕上タイプ 手作業用 単品 C砥粒 | PKSC | ○ | ○ | #280~#1000 | C砥粒を使用した砥石です。カーボランダムを使用した流し込み成型タイプで、キズの原因となるボンドが少なく、高砥粒率に仕上がっています。乾式・湿式使用可能です。 |