振動バレル研磨は、バレル内の加工物と研磨材に、ジグザグ動力と高いサイクルの振動を与えて研磨する方法です。
振動バレルの形式には、ボックス型とサークル型の2種類があります。前者は、単次元の運動を行うのに対し、後者は三次元運動を行うのが特徴です。
振動バレルも、回転バレルと同様に加工物、研磨材(研磨石)コンパウンドをバレルに入れて研磨します。
【図1】は、振動バレル内における加工物の流動を示したもので、【図2】は機械の外観を示しています。
通常、重切削には1,800~2,400cpmの振動数で、7~5mmの振動を与えます。光沢研磨では、振動数を2,000~2,800cpmに上げ、振幅は5~3mmに減少する方法がとられています
各種のバレル研磨に共通なことですが、バレル研磨に際して最も重要なことは、研磨材の選択です。
研磨材は、研磨石としてセラミック製のものなどが市販されていますが、各種の形状と大きさがあります。
形状としては、ひし形、三角形、長円形、球形、粒状などがあり、加工物の形状に合わせて形状と大きさを選択します。
コンパウンドは、研削、研磨、光沢仕上げなどの目的に応じるために添加されるもので、潤滑、脱スケール、錆止めなどの働きをします。ステアリン酸ナトリウムを主成分とした石鹸を0.5~0.8%使用したり、燐酸ナトリウムのようなアルカリ性塩類も使用されます。
研磨の終了した加工物の研磨石との分離は、鉄鋼製品であれば磁性分離、その他の物は、篩別して分離されます。